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━【「言語学をのぞいてみよう その35」(K会英語科講師:浅岡健志朗) 】━

2023年10月6日 更新

━【「言語学をのぞいてみよう その35 」(K会英語科講師:浅岡健志朗) 】━
★このコラムでは、東京大学大学院にて言語学を研究している筆者(K会の英語科講師)が、英語・言語学・外国語学習・比較文化などの話題をお伝えしていきます。★


日本語は珍しい言語か

 日本語は珍しい言語だと思いますか?日本語の母語話者にこのように尋ねると、結構な割合で「はい」という返事が返ってきます。英語のような言語は世界にたくさんあるだろうが、日本語のような英語からかけ離れた言語はきっと珍しかろう、ということのようです。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。日本語は珍しい言語と言えるのか。言えるとしたら、どのような点で珍しいのか。

 まずは音に注目してみましょう。言語はそれぞれ、使われる音の数が(おおむね)決まっています。日本語はいくつくらいの音を使う言語だと思いますか?この数は方言によっても違うし、数え方の違いでばらつきも出るので確かな数字は言えませんが、大雑把に言ってだいたい25前後となります。一方で、英語の音の数はおおよそ40余り。結構な違いがありますね。さて、世界の言語を見渡したときの平均の数はどれほどか。これは、25程度だとされています。日本語の音の数は、まさに世界の平均にあたるということです。また、日本語の母音はa, i, u, e, oの5つですが、母音の数は5つである言語が最も多いことも分かっています。

 次に、文法の点ではどうでしょうか。日本語は、主語や目的語といった文の中での役割を示すために、名詞に「が」や「を」などの要素をくっつけるという特徴を持っています。これに対して、例えば英語は、述語の動詞の前に置かれるのが主語で、後ろに置かれるのが目的語であるといった具合に、文の中での位置を利用する言語です。日本語のように「が」や「を」のような要素をくっつける仕組みを持った言語が珍しいかと言えば、そんなことは決してありません。お隣の韓国語も日本語と非常によく似た仕組みを持っていますし、モンゴル語やトルコ語など、このタイプの文法を持った言語は世界中に数多く見つかります。

 語順についても検討してみましょう。主語(S)、目的語(O)、述語動詞(V)という3つの要素をどのように並べるのが基本か、という観点で世界の言語を分類する伝統的な方法があります。論理的には、SOV、SVO、VSO、VOS、OVS、OSVの6パターンが考えられますね。例えば英語は、”John bought a book.” のように、SVO(主語・述語動詞・目的語)というのが基本的な語順です。一方、日本語の基本的な語順は「ヨシヒコが本を買った」のように、SOV(主語・目的語・述語動詞)です。さて、この6パターンの語順で、最も多いのはどれか。話の流れから予想がつくかもしれませんが、これはSOVです。日本語の語順ですね。日本語の語順は、最も一般的なタイプであるということです。SOV語順は、韓国語、トルコ語、モンゴル語、トルコ語、アイヌ語、バスク語、ベンガル語、ペルシア語、ラテン語など、世界の多くの言語に見られ、全体のおよそ45%を占めます。次の多いのがSVO語順で、こちらが42%ほど。中国語、タイ語、ベトナム語、英語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、チェコ語などがこの語順です。ちなみにV(述語動詞)が先頭に来るVSO語順とVOS語順はぐっと少なく、それぞれ9%と3%ほど。VSO言語の例としてはアラビア語、VOS言語の例としてはフィジー語などが挙げられます。残りはO(目的語)が先頭に来るOVSとOSVですが、これは実に珍しいです。(言語学者の間で)有名な例としては、ブラジルのヒシュカリヤナ語という言語がOVSの語順を持っています。この言語は、少なくとも語順の点で非常に珍しい言語と言って問題なさそうです。

 さて、音の点でも、文法の点でも、日本語が珍しいと言えそうなところは今のところ挙がっていません。他の特徴はどうでしょうか。日本語の顕著な特徴と言えば、敬語が思い浮かぶかもしれません。確かに日本語の敬語の仕組みは非常に複雑で入り組んでいて、特殊に思われます。しかし、敬意を表すための仕組みは、程度の差こそあれ、他の多くの言語にも備わっています。例えば韓国語には日本語の丁寧語や尊敬語に非常によく似た仕組みがありますし、中国語の「你」と「您」、ドイツ語の「du」と「Sie」、フランス語の「tu」と「vous」など、二人称代名詞を敬意や親疎に応じて使い分ける仕組みは様々な言語に見られます。

 では、日本語には珍しいところはないのか。そんなことはありません。例えば、三種類の文字(ひらがな、カタカナ、漢字)を持ち、かつそれらを同時に一つの文の中で使用するのが普通であるという言語は他に思い当たりません。また、「私」「僕」「俺」「うち」「あたい」「拙者」「朕」などなど、これほどまで一人称代名詞が豊富な言語も他には存在しないと言われることがあります。

 日本語は(意外と?)様々な面で普通の言語だが、一つ二つ、珍しい点もある、というのが実際のところなのではないでしょうか。そして、この点ではどの言語も同じと言って問題なさそうです。つまり、様々な点で他の多くの言語と共通しているが、少しは珍しい点もある、というのが普通の言語なのです。その意味でも、日本語が珍しい言語だとは言えそうにありません。

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2023年10月4日 更新

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