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スタッフからのお知らせK会本郷教室

26件の新着情報があります。 11-20件を表示

★夏期講習のお知らせ④★

2024年7月23日 更新

みなさんこんにちは。K会事務局です!

夏期講習の開始まで1週間を切りました!
第1ターム(7/30~8/2)の講座は7/27(土)19:00までがお申込期限です。
特に「結び目理論」「数学オリンピックに学ぶ証明問題の考え方(対面)」は締切間近です。
ターム時限講座名空き状況
11化学で世界を理解する
12結び目理論
12数学オリンピックに学ぶ証明問題の考え方
12地理オリンピック国内予選問題研究会2024
21座標幾何
21情報オリンピック予選問題に挑戦!
21言語学オリンピックで入門する音韻論
22極限
22形式言語理論と数理言語学
31
31英語で読むNIPPON論
32整数論
32論理回路入門
32神経科学と精神医学
41初等幾何
41地質学
41古生物学
42フィボナッチ数
42Pythonではじめるプログラミング入門
42物理数学
✕:締切  ▼:残り3名以下  △:残り10名以下  〇:残り10名以上
※数学オリンピックに学ぶ証明問題の考え方の映像受講については定員は関係ございません
※講座の詳細はこちらから

また、5ターム「Pythonではじめるプログラミング入門」も締切間近となりました。
こちらの申込期限は8/17(土)となっておりますが、定員に達し次第申し込みは終了といたします。

暑い日が続いています。講習受講の際は授業中であっても適度に水分補給を心がけましょう。
お飲み物を忘れた場合は、5階にある自動販売機でご購入いただけます。
また、教室の寒い・暑いなどは遠慮なく講師へお申し出ください。空調を調整いたします。
一方で、寒い暑いの感覚はそれぞれ異なります。自由席ですので冷房が丁度良い位置に移動したり、寒い場合は一枚羽織るものを用意するなど、ご自身でも快適に過ごせるように調節をお願いします。
※マスクの着用はスタッフ・講師を含め任意としております。

それでは、夏期講習で皆さんにお会いできることを楽しみにしております♪

お申込・お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)

★情報科学体験授業のご案内★

2024年7月16日 更新

みなさんこんにちは。K会事務局です!

7月27日(土)10:00~11:30 情報科学コース体験授業
対象:プログラミング初心者の中高生
料金:無料

K会では初心者であってもコードを書く、本格的なプログラミングを学びます。
また、PCの構造や、ネットワークについてなどPCにまつわることを幅広く学ぶことが特徴です。
単なる、プログラミング塾ではありません!

講師は東京大学や大学院の在卒生を中心に、情報関係の資格取得者や、各種コンテストの受賞者です。
それぞれ得意な分野は異なりますが、情報科学について、幅広い知識と経験を持つ講師が指導します!

体験授業では円を動かすアニメーションに挑戦します。
使うプログラミング言語はProcessingという初心者にも扱いやすい言語です。
コンピュータに出す、指示の書き方の基礎を学び、実際に自分でプログラムを書いてみましょう。
作品のイメージはこちら(※イメージ作品は24年春のお知らせのものです)

自分の書いたプログラムが動く感動をぜひご体験下さい!!

体験授業を経て、2学期入会を決めて下さった方は夏期講習の
「Pythonではじめるプログラミング入門」
をご受講いただくと比較的スムースに2学期に合流することができます。体験授業と合わせてご検討下さい!
皆さんのご参加・ご受講をお待ちしております。

お申込・お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)

★夏期講習のお知らせ③★

2024年7月10日 更新

みなさんこんにちは。K会事務局です!

夏期講習の開始まで3週間を切りました!
近頃よく、「夏期講習の○○〇講座はまだ申し込めますか?」というお問合せをいただきます。
現時点での講座の申し込み状況は、下表のようになっております。
ターム時限講座名空き状況
11化学で世界を理解する
12結び目理論
12数学オリンピックに学ぶ証明問題の考え方
12地理オリンピック国内予選問題研究会2024
21座標幾何
21情報オリンピック予選問題に挑戦!
21言語学オリンピックで入門する音韻論
22極限
22形式言語理論と数理言語学
31
31英語で読むNIPPON論
32整数論
32論理回路入門
32神経科学と精神医学
41初等幾何
41地質学
41古生物学
42フィボナッチ数
42Pythonではじめるプログラミング入門
42物理数学
✕:締切  △:残り10名以下   〇:残り10名以上
※数学オリンピックに学ぶ証明問題の考え方の映像受講については定員は関係ございません
※講座の詳細はこちらから

初めてのご受講は不安かもしれませんが、講習初日に1階の受付カウンターで教室や施設のご案内をいたします。
また、忘れ物や先生への質問など、困ったことや自分一人では緊張することがあれば、
いつでもK会スタッフがサポートいたします!

「敷居が高い」「近寄りがたい」イメージがあるかもしれませんが、実はK会はとてもアットホームな場所です。
講師はもちろん、スタッフも優しく丁寧な方ばかりなので安心してくださいね。

夏期講習で皆さんとお会いできることを楽しみにしております♪


お申込・お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)

━【「言語学をのぞいてみよう その37」(元K会英語科講師:野中大輔) 】━

2024年7月9日 更新

━【「言語学をのぞいてみよう その37」(元K会英語科講師:野中大輔) 】━
★このコラムでは、言語学を研究している筆者(元K会英語科講師)が、英語・言語学・外国語学習・比較文化などの話題をお伝えしていきます。★

身近なことばの観察と言語学

こんにちは、元K会英語科講師の野中大輔です。現在は大学で英語を教えながら、言語学の研究(英語・日本語の分析)を行っています。今回は私が最近見かけて興味を持った表現を取り上げて、それをもとに言語学について紹介できればと思います。

先日、とある老舗の喫茶店に入ったところ、アルバイト募集の張り紙が目に入りました。張り紙には「調理スタッフ募集 週2、3日以上勤務可能」と書いてありました。何の変哲もない、ごく普通の張り紙だと感じる方が多いでしょうが、私はこれを見て「おっ」と思いました。気になったのは「2、3日以上」の部分です。「2日以上」と書けば「3日」も含まれるはずなのに、ここでは「2、3日以上」と書かれているのがおもしろいと思いました。

このような表現は私自身使ってしまうことがありそうだと感じましたし、普通の会話の中で出てきたら、特に気にならないぐらい自然に聞こえたかもしれません。試しに「2、3日以上」や「2、3回以上」をX(旧Twitter)で検索してみたら、実際の用例がかなり見つかりましたので、問題なく受け入れている人が多い表現だと言えそうです(ついでに、「2~3日以上」のような表現も見つかりました)。

「2、3日以上」のような表現が使われるのはなぜでしょうか。今回の張り紙のケースでは、もしかしたら、喫茶店の店長に「週2日から勤務可能だけど、できれば3日以上勤務してほしい」という思いがあって、そのために「3日」まで書きたくなったのかもしれません。

「2、3日以上」が使われるもう1つの要因として、「2、3」という言い方が頻繁に使われるために、「2」と「3」を組み合わせたという意識が薄れ、「2、3」がひとかたまりの表現になっていることも考えられます。たとえば「2、3質問してもよいですか」のような言い方を考えてみましょう。このように言う場合は、質問の数そのものを伝えたいというよりは、数が「少ない」(1つではないが多くはない)ことを伝えたいのではないでしょうか。数の少なさを伝える「2、3」は、「2または3」では置き換えることができないような、ひとかたまりの表現になっています。「2、3」がひとかたまりとなっていれば、「x日以上」のxに「2、3」を入れて「2、3日以上」という表現が使われるようになっても不思議はありません。張り紙にあった「週2、3日以上勤務可能」では、「2、3」の数がちゃんと意識されるケースではありますが、「2、3」がひとかたまりの表現としてよく使われるというのは、今回の表現を受け入れやすくしている要因の1つだと言えるでしょう。

以上、「2、3日以上」のごく簡単なプチ分析でした。表現を観察して言語の実態を調査し、そうした実態が見られるのはなぜなのかを探る、というのを本格的にやると、言語学の研究になります。このコラムが、言語学のイメージをつかむのに役立っていたら幸いです。そして、「言語とのそういう付き合い方もありだな」と感じていただけたら、うれしく思います。

★夏期講習のお知らせ②★

2024年6月27日 更新

みなさんこんにちは。K会事務局です!

夏期講習の申し込みが始まり二週間が経ちました。
現時点で締切講座はございません。
定員に迫っている講座もございますので、検討中の方はお早めにお申込下さい。
講座案内はこちらから

Q.部活の予定がまだわかりません。いつまでにお申込すれば良いでしょうか。
この時期、上記のような質問をよくいただきます。興味のある講座があるのに、
『迷っているうちに締め切りになってしまう』なんてことがあると悲しいですよね。

K会の講座は、受講開始4日前までであればキャンセル・変更ができます!!

ご入金後も講座開始の4日前までにお申し出いただいた場合は、受講料は全額返金いたします。
お電話一本で、複雑な手続きもございません。ですので、もし興味を惹かれる講座があるのなら……
すぐに、お申込下さい!!

K会では少人数制を採用しているため、各講座の定員は最大でも20名としています。
情報科学など、PCをはじめとした道具を使う講座はさらに少ない10名前後の定員です。

少し焦らせるような話をしてしまいましたが、講座の受講にあたりご不安なことがある方は一度ご相談下さい。
受講相談を随時お受付しております!
内容によって、K会の事務局スタッフまたは講師が、夏期講習の受講をサポートいたします。
テキスト教材があるものは、校舎で閲覧も可能です。まずは気軽にお電話下さい♪

お申込・お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)

★夏期セミナーのご案内★

2024年6月26日 更新

本日は夏期セミナーのお知らせです!

『確率の魅力~日常の知恵から保険の仕組みまで~』
7月27日(土)13:00~15:00
講演者:近藤宏樹
講演案内はこちらから

近藤先生は元K会数学科講師であり、その昔は皆さんと同じようにK会の講習を受けていた生徒の一人でした。
学生時代には国際数学オリンピックに3度出場。第41回韓国大会・第42回アメリカ大会では銅メダル、第43回イギリス大会では銀メダルを獲得されています。
現在は下関市立大学データサイエンス学部准教授を務める傍ら、公益財団法人数学オリンピック財団理事やマンガ「数学ゴールデン」(白泉社)の監修など、数学に携わる様々な仕事に携わっていらっしゃいます。
そんな近藤先生に今回お話いただくテーマは……
「確率」です!!

「レアアイテムが出る確率は1%、100回ガチャをまわしたらゲットできるのか!?」
「日本で事故に遭う確率は1年間で0.2%。保険に入るべき?」

確率はゲームなどの娯楽から、命に関わる場面まで私たちの生活のいたるところに用いられています。
天気予報の「降水確率」を参考に、傘を持っていこうかな?と考えた経験が皆さんにもあるでしょう。

セミナーでは身近な確率の話題をたくさん紹介します。
また、複雑そうな確率の計算を「とある工夫で簡単に求める」というような、実際に手を動かしていただく時間も設けます。
基本から丁寧に解説するので、数学は苦手だというみなさんもご安心下さい!

親子、お友達同士でお誘いあわせのうえ、ぜひご参加下さい♪


お申込・お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)

★夏期講習のお知らせ①★

2024年6月18日 更新

みなさんこんにちは。K会事務局です!

夏期講習の申し込みが始まり一週間が経ちました。
受け付け初日から、たくさんの方にお申込をいただき大変嬉しく思っております!
現時点で締切講座はございません。各講座の詳細は下記HPよりご覧いただけます。
https://www.kawai-juku.ac.jp/summer/kkai/

さて、K会と言えば、「数学オリンピック」を真っ先に思い浮かべて下さる方も多いのではないでしょうか。
今年の1月に行われた第34回日本数学オリンピックの予選通過者は137名
そのうちK会生および、K会の講習等を受けて下さった方は15名

予選通過者の約1割の生徒がK会の講座を受講しています!

「今まで問題を解くことに重点を置いてきて、必要な知識や取り組み方を意識したことがなかったので勉強になりました。」(桜蔭・高1)
「実際に数オリに参加して解けなかった問題も、新たなテクニックによって見方が変わった(開成・高1)」

上記は夏期講習「数学オリンピックに学ぶ証明問題の考え方」を受講して下さった方の声です。
メダリストの講師から、直接ノウハウのレクチャーを受ける機会はなかなかありません。

次こそは!と予選突破&代表入りを目指す皆さん!!

K会で数オリ講座を受講してみませんか?
対面授業:7月30日(火)~8月2日(金)17:30-20:40
録画受講:8月13日(火)~9月17日(火)

お申込・お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)

━【「音楽から見る数学9」(元K会生・元K会数学科講師:布施音人) 】━

2024年6月12日 更新

━【「音楽から見る数学9」(元K会生・元K会数学科講師:布施音人) 】━
★このコラムでは、数学と音楽の両方に魅せられてきた筆者が、数学と音楽の共通点を考える中で見えてくる数学の魅力について、筆者なりの言葉でお伝えしていきます★

― 音と色2―

こんにちは。元K会数学科講師の布施音人です。
前回は可視光とその色について述べました。軽くおさらいしましょう。

まず、光には波長という概念があり、人間の眼が感じることのできる光(=可視光)は、ある範囲(約380〜780nm)の波長のものだけです。そして、波長の違いは「色」となって現れます(波長が長い方から赤→橙→黄→緑→青→藍→青紫)。可視光に各波長の成分がどの程度含まれているか(分光分布)は無数(前回は「無限次元」と表現しました)の可能性があります。しかし、網膜にある光を感じ取る細胞(視細胞)の性質から、人間が感じ取ることができる光は3種類の色の強さだけです(「無限次元」と対比させるならば「3次元」ということになります)。そのため、色を表現する際には、光の三原色や色の三原色、明度・彩度・色相のように、ちょうど3つのパラメータが必要になります。前回はこのような内容を学びました。さて、今回はこのことを音に置き換えると、どのようなことが言えるのか考えてみましょう。

音も光と同様に波動の一種であり、波長は周波数の逆数に比例する量です。波長の長短は音程の低高に相当します(波長が長い方が音程の低い方に対応します)。人間の眼が感じることのできる光に波長の範囲という制約があるように、人間の耳が感じることのできる音にも周波数の範囲の制約があります。その範囲は一般に約20〜20000Hzと言われています(Hzはヘルツと読む周波数の単位で、1Hzが1秒間に1回振動する波の周波数を表します)。

では、人間の耳は眼と同様に無数にある波長・周波数の中から、3種類の限られた波長・周波数の音の強弱しか感じ取れないのでしょうか。そうではないですね。むしろ、人間の耳は、各周波数の成分の強さの分布を、そのままに感知できると言ってよいでしょう。音楽を聴くときをイメージして下さい。皆さんはたくさんの音程が合わさった音楽を聴き、ちゃんとそれぞれの音程・音色を把握することができているはずです!

一方で、耳は右と左の2箇所でしか音を感じ取ることができません。それに対して、眼は網膜上にある多数の視細胞により、光が入ってくる方向ごとに可視光に含まれる3種類の波長の光の強さを感じ取れます。これは、目と耳の入力を感じ取る細胞の性能と個数とのトレードオフと言ってもよいかもしれませんね。

さて、ここからは音と光の類似に基づく面白い概念を少し紹介します。

皆さんはテレビのアナログ放送をご存じでしょうか?2012年までテレビはアナログ放送が一般的でした。放送していない深夜などに画面をつけると、「砂嵐」とも呼ばれるモノクロの画面と共に「ザーッ」という耳障りなノイズが聞こえたものです。例えるなら滝の落ちる音に近いでしょうか。このノイズはすべての周波数成分が同じくらい含まれていることから、「ホワイトノイズ」と呼ばれます。それは、すべての周波数成分が同じくらい含まれているからです。これは光の波長と色の関係から類推し名付けられたもので、すべての波長成分がまんべんなく含まれる光は白い光として感じられることが関係しています。

同様に、「ピンクノイズ」というものもあります。これは、周波数の低い成分ほど多く含まれているノイズで、光で同様の分布をとるものはピンク色に見えます(波長の長い光=赤と低い音が対応します)。その他「ブルーノイズ」「レッドノイズ」などの単語もあります。

これらは光からの類推でつけられた音に関する用語でしたが、逆に音からの類推でつけられた色に関する用語は何かあるでしょうか?可視光の範囲(約380〜780nm)と可聴域(約20〜20000Hz)とは、どこが似ていてどこが異なるでしょうか?いろいろと考えてみると面白い発見があるかもしれません!

★夏期講習の申込が始まりました★

2024年6月11日 更新

みなさんこんにちは。K会事務局です!

本日6/11(火)13:00から夏期講習の受付がはじまります!
設置講座は数学・英語・情報・物理・化学・生物・地理・地学・言語学の全20講座!
詳しくは下記URLよりご確認ください。
https://www.kawai-juku.ac.jp/summer/kkai/

K会の夏期講習は、会員の方以外もお申込みいただけます。
毎年、受講いただいている生徒さんの半数以上がK会生以外の生徒さんです。
初めてK会の講座を受講するという生徒さんもたくさんいますので

「面白そう」 「学んでみたい」 「挑戦したい」

という気持ちがあれば、ぜひご受講ください!

科学オリンピック講座をはじめ、生物学や、地質学、古生物学など、
学校では学ぶことのできない魅力的な講座をたくさんご用意してみなさんのお申し込みをお待ちしております!!


【お問い合わせ】K会事事務局
☎03-3813-4581 日・月除く 13:00~19:00

━【「現代数学の視座と眺望2」(元K会数学科講師:立原礼也) 】━

2024年5月8日 更新

"

━【現代数学の視座と眺望№2(K会元数学科講師:立原礼也) 】━
★「現代数学」、つまり大雑把には「大学の数学科レベルの数学」は、中高で習う数学と地続きに繋がっていながらも、様々な面で、全く新しい考え方に基づくものでもあります。筆者が数学を専攻することに決めたのも、この新しくも自然な考え方の数々に魅了されてのことでした。このコラムでは、現代数学におけるものの見方=「視座」、そしてそれによるものの見え方=「眺望」の解説を通じ、現代数学の魅力の一端をお伝えしていきます★


「創造する現代数学」

読者の皆さん、こんにちは。K会数学科元講師の立原礼也と申します。

最初にひとつ。今回の記事はかなり長くなってしまいましたが、読み飛ばせる部分もあり、その部分はそのように書いておきました。また、数式を読み飛ばしてもある程度は雰囲気がわかるように努めました。どうか気楽にお付き合いください。

では、前回の振り返りから始めましょう。前回は、高校2年生の数学に出てくる、虚数=imaginary number=「空想の数」をも許容した複素数の体系を説明しました。そして、それが一見すると怪しげなものでありながら、現代数学で不可欠の役割を果たしてもいることを述べました。更に、このような「怪しげな空想的対象が大変有用である」という状況は複素数に限ったものではなく、むしろ現代数学においては日常茶飯事である、ということも述べました。

そこで今回は、厳密さを大切にするはずの数学者が、そんな怪しげな空想的対象を自信満々に扱っている、その裏側にあるカラクリを説明したいと思います。

さて、そもそも実数に対してはまず言われない「本当にそんな数が存在するのか」という疑問が、虚数に対して生じるのは何故でしょう。実数と虚数の「存在性」の違いの感覚は、何に由来するのでしょうか?この記事では、「その感覚の由来は、実在感の有無にある」と答えてみたいと思います。つまり、実数が存在する感じがするのは、それが実在する感じがするから。そして、虚数が存在しない感じがするのは、それが実在しない感じがするからです。無意味な同義反復のように見えてしまうでしょうか?でも、実際そうなのです。ちょっとお付き合いください。

実際、我々はそのようにして「数」というものを習ってきたのです。例えば、3個のリンゴ、3個の飴玉、といった実在的な例を用いることで、小学校1年生で3という数を習いました。個数を考えるだけでは整数しか出てきませんが、「量」(=体積、重さ、長さ、等)の計測値を考えると、色々な実数が実在的対象を表すものとして生じます。面積が2平方メートルの正方形の土地があれば、その1辺の長さがルート2メートル、という具合です。マイナスの数(負の数)やゼロの実在感に関しては、本当はもう少し微妙な問題で、議論の余地があります。しかし、いずれにせよ、学校ではやはり実在に深く関連したそれらを文脈で習うのだ、そうして我々は実在との関連の中でそれらの数の「存在」を飲み込んできたのだ、ということは言えると思います。「-3万円の貯金とは、3万円の借金のことである」「-2km西に進むとは、2km東に進むことである」といった説明が代表的でしょう。これらに比べると虚数は、現実世界の何と対応しているかの説明もなく、唐突に「2乗すると-1になる数を新しく考える」等と言って習うので、これでは実在する感じは全くしません。虚数=imaginary numberという命名は、まさに、この実在感の欠落を反映しているようです。

実数とは対照的に、いかにも実在しないように思える虚数。では、厳密性をとても大切にしているはずの数学者たちは、どのようにして、実在しないはずの虚数を含んだ複素数の体系(や、更には、もっと不思議な数学的対象)を「存在」させているのでしょうか?結論を述べてしまいましょう。現代数学は、「存在性=実在感」という方向性の認識を(少なくとも建前上は)全く放棄してしまって、その代わりに、「存在性=シミュレート可能性」とでもいうべき、全く新しい「存在」の考え方を採用しているのです。

以下に、この「シミュレート」を複素数で実演してみましょう。ただし、決して嘘はつきませんが、細かい補足・注意は色々と省略してしまうことをご容赦ください。

まず、少し思い出してみますと、複素数a+biは、データとしては、実数aと実数bを指定する(つまり、実数2つの組(a,b)を指定する)ことで決まるはずのものでした。現代数学では、その事実を逆手にとって悪用します。現代の数学者はなんと、「実数2つの組(a,b)のことをa+biと書く」と堂々と宣言してしまい、これを複素数と呼んでしまうのです。例えば、実数2つの組(3,2)のことを3+2iと書く、逆に言うと、複素数5+(-9)iの正体は実数2つの組(5,-9)に過ぎない、ということになります。あくまでも記法を定めているだけですから、その唐突な記号にびっくりするという面はあるかも知れませんが、論理的には何も問題はありません。加えて、(0,1)=0+1iのことはiと書く、等の妥当な略記法も別途定めます。

これで複素数を用意できてしまいましたが、大事なのは加法や乗法等の計算の仕組みです。しかしこれも、「こうあるべき」というのは我々は知っているのですから(前回記事の補足後半をご参照ください)、それを規約として人工的に定めてしまいましょう。つまり、(ややこしい数式に興味の向かない方は、この一文は読み飛ばして頂きたいのですが)複素数z=a+bi(その正体は、実数2つの組(a,b))と、複素数w=c+di(その正体は、実数2つの組(c,d))に対して、和z+wとは複素数(a+c)+(b+d)i(その正体は、実数2つの組(a+c, b+d))のことであると規約し、積zwとは、複素数(ac-bd)+(ad+bc)i(その正体は、実数2つの組(ac-bd, ad+bc))のことであると規約してしまう、ということです。これも、つまり、ただそういうルールだと宣言しているだけですから、唐突ではあっても、論理的には何も怪しいところはありません。

(読み飛ばしてもよい細かい補足:より正確には、数学者の頭の中は「順番が逆」です。実際には先にR^2(ただしRは本当は「黒板太字」というフォント)と書かれる、「実数2つの組を全部集めてできる集合」に着目し、上述の演算をこの集合上に定義します。そしてその後で、「集合R^2を、この演算ルールを規約して扱っているときには、その要素(a,b)をa+biと書き複素数と称する」と宣言する、というのが、数学者の思考の順番になります。まずは集合と演算ルールを用意して、それを併せることで「複素数」といった解釈がつく、というのは、現代数学の大事な考え方です。)

(もうひとつ補足:引き算や割り算は、足し算や掛け算の「逆演算」(=つまり、逆算)として定義します。)

ともかく上のように規約すると、複素数の正体は実数2つの組に過ぎないのですから、実数の「存在」を疑わない人であれば誰でも、その「存在」について一切の怪しさを感じることなく複素数を扱うことができます。更に、例えば重要な等式であるi^2=-1(つまり、その本当の意味は、0+1i、すなわち組(0,1)を、上述のルールに基づいて2個掛け算したものが、-1+0i、すなわち組(-1,0)であること)なども、慣れ親しんだ実数の単純計算を使って正当化できます。

こうして数学者は、「一見怪しいけれども、ぜひ数学に使いたい」と所望する、虚数をも巻き込んだ複素数の体系を、(実在はさておき)人工的にシミュレートすることに成功し、めでたく普段の数学に使えるようになります。そして、普段の本音としては、(0,1)=0+1i=iのことを「2乗すると-1(つまり-1+0i)になる数だ」と思って扱うのです。もしも誰かから「2乗すると-1になる数iとは何事だ、そんなものは存在しないじゃないか」と文句を言われても、堂々としていて構いません。「いや、私は、実数2つの組(0,1)の話をしているだけですよ。何か問題がありますか?実数2つの組(0,1)が存在しないのですか?」等と言って、しらを切ればよろしい。「しらを切る」とは言っても、本音と建前を使い分けているという側面こそありますが、嘘をついているのではありませんから、自信満々なのです。

これと同じようにして、(ただし、場合によってはもっと複雑な技術を使うことで)4次元以上の空間や、無限桁の整数(のなす数体系)といった、また別の色々な空想的対象も、(実在はさておき)人工的にシミュレートすることができます。そして、人工的にシミュレートすることさえできれば、自信満々に数学的対象として扱えるようになります。これが現代数学の基本的な考え方、「存在性=シミュレート可能性」なのです。

現実世界に対応するものがなくても、自分で作って存在させているわけですから、つまり、数学者は数学的対象の「創造主」となることができる、と言ってもよいかもしれません。この自由さは、中高で習う数学には現れない、現代数学の独特な魅力であると言えるでしょう。

一方で、実在感とは関係なく「創造」したはずの数学的対象を扱っているうちに、後からその対象に関する新しい不思議な実在的な感覚が生じてくる、ということも、筆者は(そしてきっと、多くの数学関係者が)経験しています。この観点から考えますと、現代数学における「存在性=シミュレート可能性」の原理は、日常的な実在の世界から飛び出して、人間の潜在的な認知能力、「新しい実在」を引き出すための、「橋渡し」の役割を果たしてくれているのかもしれません。

(補足1.)創造性と厳密性
既に述べた通り、現代数学では「存在性=実在感」という方向性の考え方を放棄して、「存在性=シミュレート可能性」という考え方にシフトすることで、自由な創造性を獲得しているのでした。しかし、実在を放棄したがゆえに生じる注意点もあります。

例えば実数xと実数yに対しては、加法の交換法則x+y=y+xは、「加法の意味」、つまり対応する現実世界での操作からもほぼ当たり前なことであり、ある意味では、ほとんど天与の真理なのでした。対照的に、複素数の加法は数学者が創造した人工物に関するものですから、対応する現実世界での操作などは(少なくとも直ちには)なく、複素数zと複素数wについては、加法の交換法則z+w=w+zは当たり前とは言い難い命題です(簡単に証明できますが)。人工的な数体系だからこそ、色々と注意深く気にしなくてはまずいことも出てくる わけなのです。(「色々と注意深く気にしなくてはまずい」ことの例証として、「複素数より更に拡張した四元数の体系では乗法の交換法則が成り立たない」ことが挙げられます。)

今回の冒頭に、「厳密さを大切にするはずの数学者が、怪しげな空想的対象を扱っている」と述べました。しかし事実はむしろ、一見怪しげな空想的対象も(うまくシミュレートすることさえできれば)いくらでも扱えるからこそ、実際にそれらを扱うときは細心の注意を払った厳密さが必要になるのだ、という側面が大きいと言えるでしょう

なお、大多数の人にとっては、現代数学の議論を正しく厳密に遂行するには特殊な訓練が必要なのも事実であり、現代数学の魅力に本格的に触れる上では、これがハードルになってしまうかもしれません。この点、K会の現代数学講座では、中高生の方々に、(単に現代数学の内容を授業で解説するのみならず、)自習用の良質な訓練材料をもご提供しています。

(補足2.)参考文献『リーマンの数学と思想』

今回は、中高で習う数学vs大学の数学科で習う数学、という対立軸で、数学的対象の存在に対する考え方の違いについて解説しました。このようなことは、より歴史的な観点(つまり、より歴史的な、「古典的な数学vs現代数学」のような対立軸)から、加藤文元著『リーマンの数学と思想』(共立出版)において、「19世紀数学の存在論的革命」という名目で論じられています。

今回の記事の内容のうち、「初等的な具体例として、複素数のなす数体系を使う」という点や「シミュレート可能性」という言い回しは筆者が自分で考えた(と記憶している)ものです。一方、記事のより本質的なテーマに深く関連する、この「革命」について明示的に認識したのは、2017年の夏に同著(の前半部)を読んだときか、あるいは、それより少し前に同氏のTwitter(現X)で関連する議論を読んだ時だったと思います。その意味で、今回の記事の「参考文献」として、同著を挙げておきたいと思います。

(意欲ある読者に向けた、答えのない演習問題)
1. 今回は、複素数の体系を現代的な「存在性=シミュレート可能性」の観点から正当化することについて述べました。しかし、古典的な「存在性=実在感」の観点から複素数の体系を正当化することは、本当に全く不可能なのでしょうか?実は(どこまでを「実在」と思うかにも依存しますのでちょっと微妙なところですが、筆者の個人的な感覚としては)そんなことはなく、十分に工夫すれば、「存在性=実在感」の観点からも、複素数(やその計算)を「怪しさ」なく導入できます。どうすればよいか、調べたり、自分で考えたりしてみてください。

(ヒント)行列を用いた複素数の定義がヒントになり得ますが、それをヒントにするために、線型代数学の基本をよく理解している必要があるかもしれません。

2. 「それ自身は0ではないが、2乗すると0になる数」を新しく考え、それを実数の世界に付け加えて拡張して、新しい数体系を作ることができます。

今回述べた複素数の例を真似して、実際にこの数体系を作ってみてください。この数体系と複素数の数体系の間には、どのような定性的な違いがあるでしょうか?

余談ですが、この「それ自身は0ではないが、2乗すると0になる数」は、ニュートンやライプニッツの微積分学に端を欲する無限小概念の、代数学的な実現と考えることができます。そしてその観点から、このような「新しい数体系」の作り方は、環の理論のある一側面において重要な役割を果たします。

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