都立高校の入試のしくみ 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
都立高校の入試のしくみをご紹介します。
推薦入試の概要
※「推薦に基づく入試」のこと。
都立高校入試は大きく2つに分けられます。まず、①推薦に基づく入試(いわゆる推薦入試)、②学力検査に基づく入試(いわゆる一般入試)です。
①推薦入試は、【a】調査書、【b】個人面接、【c】小論文または作文の点数の合計で合否を判定します(一部学校では【c】に代わり実技検査またはパーソナルプレゼンテーションを実施)。配点・満点は高校によって異なりますが、満点は概ね900点前後です。かつては調査書点(内申点)のみでほぼ合否が決まるのが推薦入試でしたが、小論文・作文が導入されてからは、これらで調査書点の不利を逆転できる可能性が高まりました。ただし、調査書点が配点の50%を占めるため、合否を分ける一番の要因であることには変わりはありません。
推薦入試は例年高倍率で、人気校では6倍を超えることもあります。また一般入試対策と同時並行して推薦入試対策をしなければならず、受検生にとっての負担は決して少なくありません。さらにどうしても結果が気になってしまうのが人情で、合格発表まで気もそぞろになる受検生も多く見られます。過度な期待は厳禁、不合格も想定して一般入試対策も今までどおりに進めましょう。
とはいえ、受検のチャンスが1回増えることは大きなメリットです。内申が基準に達していて、なおかつ個人面接、小論文または作文の対策を一般入試に向けた学習と並行できる場合は挑戦する価値があります。面接や作文の練習は中3の冬からでも間に合います。受験直前期の貴重な時間を推薦対策に充てるか、一般入試に全力で取り組むか、慎重に検討する必要があります。
一般入試の概要
※「学力検査に基づく入試(第1次、分割前期)」のこと。
都立入試のメインとなるのがこの一般入試。ほとんどの都立高校では、調査書点300点と学力検査点700点の計1000点ですが、2023年度から中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)のスコア20点分が追加され、1020点満点となりました。
ESAT-Jは11月末に受検し、その点数が合計点に加算されます。英検3級〜準2級のレベルであるため、事前に話すことに慣れておくことが必要です。英検を積極的に受検することをおすすめします。
調査書点は5科目の評定の和に実技4科目の評定の和を2倍して得られた数を足した、いわゆる「換算内申」を用いるのが特徴です。学力検査点は7割の比重になるので、入試当日の点数に1.4を乗じて得られた数を用います。一般入試では、「取下げ」と「再提出」が認められるのも特徴です。取下げ日までに既に受験した私立の合否が判明する場合、結果に応じて都立受検校を変更することができます。併願パターンを組む際には考慮しておくとよいでしょう。
学力検査は、理社のみ全校「共通問題」を使用しますが、国数英の3教科は学校によって使用する問題が異なります。2018年度の入試から、進学指導重点校と進学重視型単位制高校は「自校作成問題」での実施に変更となりました。この「自校作成問題」は、質・量ともに共通問題と比べて難易度が高くなるため、それに応じた対策が不可欠です。
上記以外の高校は国数英も「共通問題」を使用します(国際高校は英のみ自校作成問題)。「自校作成問題」と比べ、「共通問題」は難易度が高くない分、上位校では受検者同士の得点差がつきにくくなるため、調査書点が重要になります。その点、自校作成問題は学力検査で挽回できますので、「問題が難しいから」といって安易にこれらの学校を敬遠するべきではありません。
多くの私立高校が国数英の3科目入試なのに対し、都立高校は国数英社理の5科目入試です。科目が増える分、バランスの良い勉強が必要です。とりわけ理社については、ここ数年難化の傾向が見られ、理社の実力が合否を分けるといっても過言ではありません。「理社は夏から」「理社は自分ひとりでできる」という生徒もいますが、直前期に慌てることになりかねません。後悔のない受検のためにも理社の学習をおろそかにしないでください。
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