新宿高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2024年度 新宿高校の入試問題分析
新宿の英語
2024年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【2】会話文、【3】説明文、【4】物語文という問題構成になっており、語数がやや増えた大問も見られるが、問題形式に大きな変化はなかった。各問題は昨春と比較して読みやすい内容ではあったが、設問の難度は上がっており、特に【2】ではその変化が大きく見られた。選択肢の英文も長いため、速読力と情報処理能力が必要であると同時に、改めて解く順序や時間配分を筋立てることも必要である。
【2】は「良い学習習慣の作り方」に関する文章であり、文章自体は読みやすい内容であったが、設問ごとに難度に差があった。問1の内容把握では、空欄①で悩む受験生もいると思うが、文中の指示語をしっかりと追って読めば得点できる。問2では語句整序の問題が出題されており、適文整序の問題がなくなった。語数は昨春と比較して長くなっている。従来であれば設問が比較的易しく、得点しやすいところではあるが、問4、問5の適語補充がどちらも難問であり、根拠となる英文を見つけることが難しく、かつ時間を要すると思われる。【3】、【4】を解くための時間配分も考慮しつつ、得点すべきところは押さえておくべき大問であった。
【3】は「数の数え方の歴史とその表し方」に関する文章であり、内容把握と情報処理能力が特に求められる問題であった。特に問4については、ローマ数字の法則性をしっかりと読み取っておく必要がある。問3に関しては、「12語」というヒントがあるため、該当箇所を見つけやすかったと思われる。やや難しめの設問がある一方で、問2や問5は得点しやすかった。問6の内容一致では、内容(英文)だけでなく、1語単位で正誤の判断をつけることがカギとなっており、正確な内容把握能力が求められている。
【4】は「主人公が留学先で経験したこと、学んだこと」についての物語であった。形式については、昨春出題されていた問1の適語補充と問4の語句整序、問5の内容理解がなくなっており、内容理解、内容把握の設問が増えた。読みやすい内容であり、得点源としたい大問である。英作文については、内容に対して限定的な条件が目立っておらず、比較的自由に答えることができると思われる。
新宿の数学
2024年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】は昨年度同様、6題構成の小問集合であった。内容も計算、方程式、確率、作図などで例年通り。一方で配点が昨年度から変わっており、昨年度の計33点に対して今年度は27点と下がっていた。とはいえ、問5以外は解法で悩む問題はないため、ミスなく得点を稼ぎたい。問5の求角問題は、中点連結定理を利用するために補助線を引く必要があり、それに気づけないと難しい問題であった。
【2】も昨年度同様、関数の問題であった。問1、問2(1)は定番の問題であるため確実に正解したい。特に問2(1)を間違えると、(2)(3)も数値が合わなくなるので注意が必要である。問2(2)は台形を線分で2つに分けるときの線分比と面積比に関する知識が必要で、座標平面における線分比の扱いには慣れておきたい。問2(3)は△ABCの面積を等積変形の利用で素早く求められれば理想的である。それぞれ自校作成問題校では頻出のテーマであり、解法を自分のものにできているか否かによって得点・時間の両方で差がつく大問だと思われる。
【3】は正三角形の折り返しを題材とした平面図形の問題である。問1は比較されている2つの三角形が相似であることに気づきたい。問2は図形の折り返し時の性質や三角定規の三辺比、三平方の定理を利用して解く必要がある。思考力、計算力ともに必要な問題であるが、最後までたどり着けなくても計算過程を記述し、部分点をもぎ取りたい。問3は証明問題であり、例年同様当てはまる語句を記号で選んでいく問題である。証明そのものはやや難しいが、丁寧な誘導がなされているので、その誘導に従って全問正解したい問題である。
【4】は大小2つの立方体を合わせた立体を題材とした問題であった。問1は向かい合う面が相似な図形の立体に対するアプローチ方法を知っていれば、相似比と体積比の関係から問題を解くことができる。問2、問3は解く過程で条件に即した平面を抜き出す必要がある問題であった。もちろん平面を抜き出すだけでなく、その後の相似の利用や計算を最後まで処理しきって初めて得点がもらえる問題であるため、時間に追われていた受験生は正解までたどり着くのは難しかったと思われる。
発想力が必要な問題もあるが、多くの問題は頻出の解法を使いこなす知識と計算力があれば対応できる問題である。新宿高校の数学は記述が少なく、「惜しい」では得点をもらえないため、普段から解法の暗記だけでなく実際に問題を解いて使いこなせるような学習を心がけておきたい。
新宿の国語
2024年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】漢字の読み書き 16点 【2】小説 28点
【3】論説文 34点 【4】解説文 22点
【1】漢字の読み書き
多くの自校作成問題校とは異なり、大問が1問構成、ただし読みと書き両方出ること、四字熟語・三字熟語・同訓異字・同音異字が出るのは変わらず。「シジ」は多くの同音異義語がある熟語なので、例文をしっかりと確認したうえで書き出す必要がある。四字熟語「イチヨウライフク」は本年度の日比谷高校でも出題されている。
【2】小説(木内昇「かたばみ」)
2023年に出版された小説よりの出題。戦中のつらい日々を乗り越え、夫や息子をはじめとする家族との触れ合いに喜びを見出す主人公の姿が描かれている。小問数は多いものの、登場人物の心情は読み取りやすく。設問の難易度もそれほど高くない。続く【3】の難易度を考えると、この大問は確実に得点源にしておきたい。
【3】論説文(池上俊一「歴史学の作法」)
「歴史」の認識や叙述の方法について、さまざまな学者や歴史学派の手法を交えて論じた文章。歴史を学ぶ大学生向けの内容であり、中学生が理解するのは容易ではないと言えるだろう。
様々な歴史学の用語が登場し、その意味を確認しながら読みすすめる必要がある。加えて小問数も多いので、この大問にかなり時間をとられるはず。問7の作文に時間を割くか、放棄するかということも含めて、限られた時間のなかでいかに立ち回るかが合否の分かれ目となる。様々な難易度の自校作成問題校の過去問を演習しておくことが肝要である。
【4】融合文(小川靖彦「万葉集と日本人」)
新古今和歌集の選者である藤原定家と万葉集のかかわりについて論じた文章。万葉集や藤原定家といった題材は融合文で頻出のものであり、問題の難易度もそれほど高くないので、素早く解いて時間を確保したい。
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