2022年度 西高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2022年度 西高校の入試問題分析
西の英語
2022年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
リスニングを除くと大問3題で、その構成は対話文が1題と説明文が2題であった。物語文が出題されないのは3年連続である。また、理系のテーマの文章が出題されることが近年続いている傾向である。
自校作成問題校の中でも、特に文章量が多い学校の1つであるが、今年度も設問で使われている語も含めると総語数は3,000語を超える。過去最低の平均点となった昨年度に比べると、正解しやすい問題は増えたが、一昨年度の問題と比べると、使われている語彙や文法、文章内容や設問は難度が上がっている。
【2】は新幹線の特長を述べていく対話文。比較的文章が読みやすく、平易な問題が多いため、得点源になった大問であろう。問2の並べ替えは、修飾関係が複雑で、悩んだ受験生も多かったかも知れない。
【3】はカビをテーマとした説明文。カビなどの細菌類が我々の生活や、地球が抱える諸問題に対してどのように役立つかを説明した理系の文章であった。mold、fungusといった文章を読むうえでの核となる単語に注が付いていないため、文章を読んで類推する力が求められた。
【4】は人類が動植物に与える影響を、それらの見た目の変化から考察した説明文。原因(人類の行動)と、それにより起こる結果(動植物の変化)の関係をしっかりと整理して読んでいけばよい典型的な説明文であったが、設問は難度が高いものが含まれていた。
本校の対策として、速読力をつけることは言うまでもない。特に理系テーマの説明文が合否を分けるポイントになるため、他の自校作成の問題も使って、十分に練習してほしい。また、すべての大問に内容一致が出題され、配点が高いのも本校の特徴である(今年度はすべて8点、合計24点)。文章の大まかな内容をとらえるだけでは得点できない出題形式になっているため、文章読解の核となる単語や文は細部までしっかり内容を押さえながら、なおかつ速読することを意識してほしい。
西の数学
2022年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】は例年通り、小問5問の出題であった。問3では条件が複雑な確率の問題、問4ではあまり見かけない中央値の問題、問5では思考力を必要とする作図など、序盤から知識の正確な応用が必要である。
【2】も例年通り、座標平面における関数のグラフの問題であった。「座標間の距離を求める」典型的な問題を始め、取り組みやすい問題が並んでいるので、ここの大問は満点を取っておきたい。
【3】も例年通り、平面図形の問題であった。昨年度は「平行四辺形」が題材となっていたが、今年度は例年の「円」の題材に戻った。問1、問2は平面図形の基本的な性質を利用した基礎的な問題となっている。四角形ACDHが平行四辺形となる理由を探すのに多少苦労するものの、面積比を求めることは基礎的な内容である。ただし、問3の証明は、題意を満たすための道筋が見えにくいため、条件を素早く整理して処理しなければならない。
【4】も例年通り、本校特有の問題であった。題材は同じものを使用しているが、問1では組み合わせ、問2では1次方程式、問3では不等式といった様々な分野から出題されている総合問題となっている。特に問3では、条件が非常に難解で理解するまでにかなりの時間を要するため、複雑な条件の中でも必要な情報を読み取り解いていく力を養成しておきたい。
西の国語
2022年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】漢字の読み 8点 【2】漢字の書き取り 8点
【3】小説文 26点 【4】論説文 40点 【5】融合文 20点
漢字の読み書き8問、60字の心情記述問題と200字作文以外選択問題という出題形式、また文章問題の文字総数約11,200字についてはほぼ例年と同様。新出として、【4】の問4で9つの選択肢から内容の正しい3つを選ぶ九択問題が出題された。通常の四択問題と比較して判別には若干の時間を取られたと考えられるが、内容としては易問と言える。文章問題全体として、200字作文に時間を割くためにも、一読で重要箇所を見抜けるよう読解練習を積む必要がある。
【1】、【2】(漢字の読み書き)
四字熟語が読み書きともに出題された(「泰然自若」「ドウコウイキョク」)が、漢字は総じて昨年に比べ易化したと言える。しかしながら、読みの「大仰(おおぎょう)な」、書きの「シュウソク(収束)」は、普段解く問題文中の語句として出てきたときなどにしっかりと確認していないと、失点してしまう可能性があるだろう。
【3】小説文(「櫓太鼓がきこえる」/鈴村ふみ著より 約5,200字、前年比+約1,600字)
受験生と同世代の登場人物が部活動に打ち込むという入試小説定番の状況設定は、本校では「相撲」という少しひねられたものになっており、心理状態がやや読み取りづらくなっている。記号問題であっても易問とは言いづらいが、他の大問との得点バランスを考えると全問正解を目指したい。ただし問3の記述問題は、心情変化の前と後を、適切な場面を交えて記述する典型的な問題であり、易問であろう。
【4】論説文(「科学とは何か」/佐倉統著より 約3,900字、前年比-約600字)
「科学と一般市民の関係性」という、受験生にとっては読み慣れた文章内容のはずだが、「科学技術の内容には人を含む」という本文独自の表現が、読解への着手のしにくさを感じさせる。問4の九択問題はある程度時間をかければ確実に正解できるため、新形式に動揺せず落ち着いて取り組む必要があった。限られた時間内では難問となる。本年度の200字作文は自身の体験と結びつけやすい内容であったため、ぜひ書き上げておきたい。
【5】融合文(「監視の流儀――その神髄を味わう」/松原朗著より 約2,100字、前年比-約1,100字)
都立高校入試では珍しい「老子」「楚辞」「文選」からの引用や王維の漢詩を引用した融合文。漢文や漢詩の中に取り上げられている水の2つのイメージを解説している。文章量が少なく、内容も受験勉強の過程で触れたことのある受験生が多いであろうから、平均点は例年より高くなると考えられる。
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