国分寺高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2024年度 国分寺高校の入試問題分析
国分寺の英語
2024年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
例年3題の文章題が出題され、情報量が多いことで知られているが、今年度も例年通りの出題傾向となった。表やグラフなども多用して読解する問題も同様であった。
【2】は対話文で、放課後に生徒と先生が将来について話していく中で、音楽家になりたいユリに対して音楽に対するインスピレーションはその人の体験に基づくものが大きいと話が展開する。【2】は文章に合わせて正確に読み取っていけば正解にたどり着きやすい出題となっている。問4の語句整序は関係代名詞を利用した後置修飾の問題であり、このパターンの問題に慣れておきたい。
【3】は「野生の鳥」をテーマに4人の生徒がそれぞれプレゼンテーションをする形式で、野生の鳥との人間との正しい距離感の重要性や、「人間社会との共生」の重要性などの話題が展開していく対話文であった。ここでは問3と問5においてグラフ中の空所に必要な情報を補充する問題が出題され、本文から必要な情報を読み取る情報収集力が求められた。
【4】は帰国間近のアメリカ人が感じた日本文化をテーマに話が展開する対話文。いわゆる「文化比較論」がテーマとなっている文章であった。問3の語句整序では不定詞を使った後置修飾が出題され、やはり国分寺高校をはじめ、自校作成問題校では「後置修飾」に関する問題に慣れておく必要性がある。また最後の問7の英作文では「あなたがアメリカに留学してホームステイをするとしたら、ホストファミリーにお土産として何を渡したいか。」を20語から40語以内の英文で書くものが出題された。日本文化と関係のある英作文は頻出のテーマの一つなので、今後も事前に課題練習しておくと、他の受験生に差をつけられるのではないか。
結果的に今年度も50分間で長文3題を解くという非常に時間的に厳しい内容となっている。改めてこの傾向を踏まえて「速読力」と「情報処理力」を鍛えていく必要性がある。問題の取捨選択も含め今後も様々な自校作成問題に触れて問題慣れをしていく必要がある。
国分寺の数学
2024年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
全体的な難易度は他の自校作成問題校の対策をしてきた受験生にとっては標準的な問題だった。ただし、【4】では大学入試を意識したような長文の対話形式の問題が出題され、対策が手薄だった受験生にとっては焦りもあっただろう。ただ、問われている内容は最短距離の問題で身近な内容だ。
【1】は例年通り、6題構成の小集合であった。内容も計算、方程式、確率、代表値、作図とほぼ例年通り。問6では度数分布表と箱ひげ図の融合問題が出題された。対策を講じた受験生であれば焦らず、取り組めたところだろう。データの整理は対策が手薄になりがちなので、改めて用語の理解をしておきたい。
【2】の内容は例年通り、放物線と直線をテーマとするものであった。問1の座標平面上の格子点の個数を数える問題は自校作成問題では頻出の問題で数えミスには注意したいところだ。また、座標を求める問題では比を正確に扱い、求めていきたい。
【3】も例年通り、平面図形の問題であった。問1と問3は相似と面積比についての問題だ。日頃から類題等で練習を積んでいれば早く答えを出せただろう。また、問2の証明問題では「図形の折り返し」がテーマで難易度は高くはないが、図形の折り返しの特徴を端的に表現できたかどうかで得点に差がついただろう。
【4】の立体図形の問題は全問対話の問題だった。文章量に圧倒される受験生もいたと思うが、内容は最短距離を様々な方法で求めていく問題で平易な問題も多かった。立体図形の問題では平面を抜き出して、いかに平面図形の問題として考えられるかが問われる。平面図形の問題に置き換えれば相似を使って解ければ答えにたどり着くだろう。
いずれの問題も難易度は高くないが、【4】のような形式の問題は今後も出題される傾向にあるだろう。日頃から暗記に頼ることなく「なぜそうなるのか」という疑問を持って数学に取り組む姿勢を持っていきたい。
国分寺の国語
2024年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】漢字の読み書き 16点 【2】小説文 26点 【3】論説文 32点 【4】融合文 26点
【1】(漢字の読み書き)
漢字の読みが4問、書きが4問の計8問構成。2023年度と同様に最後の書きの問題に四字熟語または三字熟語は出題されなかった。読みの「繕う」「貪る」、書きの「ハグクむ」といったように漢字一字の訓読みを強化していく必要がある。
【2】小説(原田マハ「リーチ先生」)
イギリス人の芸術家「リーチ先生」の助手を務める主人公の目線から、「リーチ先生」が日本の陶芸に魅了されていく様子が描かれている。2023年度までは現代が舞台となっており、読解がしやすい内容であった。2024年度は大正時代が舞台となっており、時代背景としては受験生には馴染みがないが、内容としては分かりやすい文章であった。問3では生徒の会話が載っており、会話の途中にある空欄を埋める問題が2題出題された。1題は選択問題で、指定されている箇所を読めばすぐに分かる問題であった。もう1題は抜き出し問題で、登場人物たちが日本の陶芸をどのように捉えているかを問う問題であった。2023年度とは違う出題方法であったが、本文の一部が指定されているため、易しい問題であった。最後の問6は昨年と同様に表現の読み取りが出題された。
【3】論説文(好井裕明「『今、ここ』から考える社会学」)
普段、「あたりまえ」と感じている「日常」「常識」を批判的に捉えていくことを基にしながら、経験的に捉えていくことが「社会学」の営みであることを述べている。哲学・社会学・思想史といった学問的な内容の文章が例年出題されている。現在、流行りのテーマもさることながら、学問的な文章に慣れておく必要がある。2023年度と同様に、200字作文を除き、すべて選択問題だった。傍線部の説明や内容把握、および傍線部の原因・理由の読み取り、文章構成について出題された。問6の200字作文については傍線部について考えたことを、体験や見聞を挙げながら書くと良い。
【4】融合文(鈴木日出男「万葉集入門」)
万葉人がどのように自然を捉え、和歌の中に取り込んでいったかを説明している文章。専門的な言葉が多いが、注意書きがあり、そこまで難しい文章ではないと考えられる。2023年度までは文法問題が出題されていたが、2024年度は語句に関する問題が1題出題された。他の問題は、傍線部の内容理解の問題、文章構成の問題が出題された。2023年度と同様にすべて選択問題だった。
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