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2023年度 八王子東高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東

2023年度 八王子東高校の入試問題分析

八王子東の英語

2023年度入試問題

2023年度入試問題 英語

難易度の表記
 A:易問(全問正解したい)
 B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
 C:難問(差をつけるために得点したい)
 D:最難問

問題分析

【1】リスニング問題は共通問題を使用。昨年度から大きな変更はなし。

【2】1,300語程度の対話文読解問題。イギリスからの留学生とアメリカで学んだ経験がある日本人高校生の会話である。イギリス英語とアメリカ英語の表現の違いについて対話が進む。問5は不適切な選択肢を選ぶ問題で、この出題形式は2022年度にもみられたものを踏襲している。問6のdifferentのように、中学生がつづりを書き誤りやすいものを記述させることがあるため、日ごろからの英単語練習で正確なスペリングを身につけておきたい。問7の文整除は動名詞、助動詞、to不定詞の知識を複合させる必要のあるやや難易度の高い設問だった。問9の自由英作文は、「英語を学ぶ意義は何だと考えるか、自分の経験に触れながら40語以上50語以内の英語で詳しく説明しなさい。」という問題だった。以前からおなじみの出題形式である。本文に埋め込む形式ではないので、問題を見てすぐに取り組める問題だ。日ごろから、添削指導を受けて正しく作文する力をつけ、英作文を書くことに慣れておくと良い。

【3】1,200語程度のソーシャルメディアの良い点と悪い点に関する文章読解。脱語挿入が4問、脱文挿入が2問、文整除が1問、内容(不)一致が3問で、小問10問で構成されている。どの問題形式も他の自校作成校でもよく出題される形式である。例えば、問2などに見られる脱語挿入(選択)は一見難易度が高そうに思われるが、空所1つごとに選択肢をきちんと検討できれば容易に正解できる問題。過去問演習の際に、他の高校の過去問も演習することで、こういった問題形式に慣れることができる。問3の文整除も大【2】の問7と同様に、関係代名詞や文型などの文法事項を組み合わせた複雑な構造の文を書かせるものだった。こうした英文をサッと書けるよう、10月ごろまでにはすべての文法事項について瞬時に解けるような高い基礎力を身につけておきたいところ。また、インターネット、ソーシャルメディア、科学技術、IT等の是非を問う問題は近年の頻出問題。自分の意見・考えを英語でもまとめておくと役立つ。

八王子東の数学

2023年度入試問題

2023年度入試問題 数学

難易度の表記
 A:易問(全問正解したい)
 B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
 C:難問(差をつけるために得点したい)
 D:最難問

問題分析

問題構成は【1】が小問4問、【2】~【4】は小問3問で、【1】の小問が1問少なくなった他は例年通りであった。

【1】の小問集合は、例年通りの難易度で計算等の基本的な力を問う内容であった。問4は自校作成問題では頻出の円を利用して解く作図であり、準備をしてあれば手を止めずに進められただろう。例年より小問が1問減り、各配点が上がったので1問1問丁寧かつ正確に取り組む必要があった。

【2】は座標平面上の放物線と直線に関する問題だった。問1は変域の一致を利用するが、解答は文字を用いた式で表すため、戸惑った受験生もいただろう。問2(1)は条件に合う直線上の格子点を求める基本問題なので、確実に正解したい。(2)の等積変形は関数の典型問題なので、八王子東高校の受験生が解法に悩むことはなかったと思われる。

【3】は2つの正方形と三角形を組み合わせた平面図形の問題だった。問1は頻出の直角三角形の合同に注目する基本問題だった。問2(1)の三角形の合同の証明は、示す必要のある2つの三角形とは別の三角形を利用する必要があったので、方針を立てるのに苦労した受験生もいただろう。問2(2)は、難度は高くないが、(1)の証明を利用するため、(1)の出来で差がついたと思われる。

【4】の空間図形は正四角錐の体積、図中の三角形の面積、表面上の最短距離の3つを問う内容で、この構成は過去5年を振り返ると2019、2022年と同様であった。過去の入試問題に丁寧に取り組んでいれば、余裕を持って解き進められたと思われる。中でも問2(2)は類題経験に加えて、しっかりと解ききる計算力を備えていたかで差がつく1問となっただろう。

八王子東の国語

2023年度入試問題

2023年度入試問題 国語

難易度の表記
 A:易問(全問正解したい)
 B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
 C:難問(差をつけるために得点したい)
 D:最難問

問題分析

【1】漢字の読み 10点 【2】漢字の書き取り 10点
【3】小説文 25点 【4】論説文 33点 【5】融合文 22点

【3】の50字の心情記述問題が8点、【4】の240字作文が12点と配点が大きい。選択肢問題では差がつきにくいと思われるので、記述問題で部分点を稼いでおきたい。書き上げるための時間を確保するためには、一読で重要箇所を見抜けるよう練習を積む必要がある。

【1】、【2】 (漢字の読み書き)
読みの「禁忌」や「長広舌」は日常のなかで使う機会はあまりない熟語であろう。様々な文章に触れて語彙力の強化に努めることが大切である。また、書き取りの「薬効」は言葉の意味を考えて漢字を書く必要がある。普段から「熟語の意味と用いられる漢字を結び付けて覚える」習慣が問われているといえる。

【3】小説文(蓮見恭子「襷を、君に。」 )
多くの入試問題で題材として取り上げられてきた小説からの出題である。少年少女が部活動を通して己を見つめ直し成長していく物語は、中学、高校入試小説問題の王道パターンといえる。登場人物の心情は読み取りやすく、設問の難易度はそれほど高くないので、素早く確実に解答していきたい。表現の特徴を説明する問5は八王子東高校を含め自校作成問題・共通問題でも頻出問題なので、十分練習しておきたい。

【4】論説文(養老孟司「考えるヒト」)
「目的」ということばと生物の行動について論じた文章。読み解くためにはダーウィンの「自然選択説」などの生物学の基礎的な知識が必要であり、文章の抽象度も高いため内容理解に時間がかかった受験生も多かったのではないか。自校作成校レベルの難解な論説文を読みこなすためには、様々なテーマについて、その背景知識を知っておくことが望ましい。問5で例年どおり240字の作文が課されるので、ここにどれだけ時間を割くかが重要である。

【5】融合文(上野誠「万葉集講義」 )
文字(漢字)によって書き留められる詩歌の表現やその思想の変遷について、我が国と中国の歴史を振り返りつつ論じた文章。中国における詩文の役割という内容は、受験生にとってあまり馴染みのないものだったかと思うが、設問の難易度は標準的なものである。

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