特別セミナー Ｋ会 春期講習

折り紙と数学には深いつながりがあります。

みなさんは「ギリシャ三大作図問題」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？これはギリシャ時代の数学者たちによって定規とコンパスのみを用いて作図が可能かという問いが立てられた三つの作図問題のことです。この1つに与えられた角を三等分する「角の三等分問題」があります。この問題は定規とコンパスで解決することはできませんが、実は「折り紙」の技法を用いることで初めて解くことが可能となるのです。このような幾何問題について、数学ではガロア理論と呼ばれる方程式の現代的な理論を用いることで説明することができます。

同様に、折り紙の作品作りにも数学が関係しています。例えば、作品の構造を設計する際には、一枚の正方形の紙の中に必要な要素を強い幾何的制約のもとで効率よく配置する必要があり、このとき数学的な考え方が不可欠です。

他にも、折り紙の技法は人工衛星の太陽電池パネルを小さくたたむために使われている「ミウラ折り」や医療用ステントに使われている「なまこ折り」といった工学的な応用、より折り紙の抽象的な特徴に注目した「DNA折り紙」や「計算折り紙」といった生化学や情報科学への応用など、非常に幅広い探索がなされています。

このセミナーでは、実際にみなさんに紙を折って頂きながら、“折り紙と数学の関わり”をわかりやすくご説明します。また、後半は講演者の創作活動をもとに、具体的な製作過程の紹介や実演を交えつつ、アート・デザインとしての折り紙の魅力に迫っていきます。

当日は実演や質疑応答の時間も設ける予定です。前回の2022年開催時とは異なる内容も扱います。新中学1年生から高校生、保護者の方までどなたでもご参加いただけます。ぜひ、お誘い合わせのうえご参加ください。