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河合塾数学科講師が、具体的に学習法をアドバイス!

【topics】
問題文が長くなり、題材が多様化しています。いろいろなテーマに対応できる読解力が必要であり、実戦力の養成も必須です。

数学Ⅰ,数学A

1.パターン学習の限界

2024年では太陽光を受けてできる電柱の影に関する問題が出題され、2023年度にもバスケットボールのシュートの軌道に関する問題が出題されました。題材の多様化、融合問題の出題などにより、初見の問題に出会う可能性が高まり、パターン学習が今までのように通用しなくなってきています。問題文から情報を抽出し、それをもとに基本事項を活用し考察していかなければなりません。そのためには基本事項を覚えているだけではなく、その内容をきちんと理解する必要があります。定理や公式の証明を学習することも有効です。

2.読解力の養成

問題文が長くなり、題材も多様化しています。いろいろなテーマに対応できる読解力は全教科で養うものであり、どの教科を学習するときもそのことを意識しましょう。特に理科は、問題文に数式、値、図が現れ、数学との結びつきが強いです。2023年度、2024年度ともに文系生と理系生の出来が大きく開いた問題が見られました。

3.実戦力養成

基本事項の習得後は、実戦的な演習に移ることになりますが、まずは共通テストの過去問を解き、しっかりと分析しましょう。問われているものを理解し、実感することが対策のスタートです。その後は共通テスト形式の実戦的な問題集を用いることになりますが、センター試験の過去問を分野別に演習することも大切です。データの分析や数学Aの2分野はセンター試験との違いが少ないため特に有効です。また、共通テストではそれまでの解法を参考にして自力で解く設問が見られます。9割以上の高得点を狙う場合はそのような設問を正解する必要があり、一から自分で考える本格的な個別試験(二次試験)対策も有効です。

数学II,数学B,数学C

1.知識をつけて、理解する

まずは、数学の知識をつけることが必須です。とくに現役生には、「見たことのある問題には解答できるが、少しでも見た目が変わると何をしていいかわからなくなる」という傾向があります。共通テストの『数学II,数学B,数学C』においては、二次・私大の入試でよく問われるような問題や、数学の定理を導くようなより高度な問題が多く出題される可能性があるので、共通テストだけの対策では不十分です。授業などで広く深い知識を得ることができるようにしましょう。
また、後述のように計算力も十分大切な力であることは念頭に置きつつ、論理的思考力、数学の根本的な原理を確実に理解することなども重要になってきます。答えを単に覚えるのではなくしっかり理解すること、証明問題に取り組むことなども共通テスト対策として必要です。

2.読解力をつける

共通テストの数学は、読むべき文章の量が非常に多くなっています。このような問題の対策としては、出題者がどんな意図で出題しているのかを見抜く必要があります。読解力をつけるために、参考書や問題集の解答を読むところから始めるとよいでしょう。他人の答案を読む学習や、実際に答案を作る学習も効果的です。

3.計算力をつける

共通テストには煩雑な計算をしなければならない問題も出題されます。まず、計算力をつけるためには見やすい文字を書くことから始めなければなりません。自分でも後から読めないようでは計算ミスを誘発するでしょう。濃くて、ある程度大きい文字が書けるようにしましょう。次に、問題用紙の余白で計算をするときに、できるだけ整理して丁寧に計算をすることも大切です。計算力は、自力で計算しないことには身につくはずはありません。つまり、計算練習あるのみです。まずは「ミスをしたらできるだけ早く気づくこと」から始めるとよいでしょう。

4.共通テスト対策問題に取り組む

2024年度と異なるのは試験時間が70分となり、『数学B,数学C』の範囲から3単元を選択することです。時間配分に注意しながら、共通テストの対策問題集などに取り組むようにしましょう。日常生活の問題や、それまでの解法を参考にして自力で解く設問、会話問題などについては一通りの演習が必要です。ただ、このような問題は『数学II,数学B,数学C』ではそれほど重視されないと思われるので、標準的なレベルの問題集を仕上げる程度でよいでしょう。

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