共通テスト受験生への教科別学習アドバイス(地理歴史) 共通テストの教科別学習アドバイス | 大学入試解答速報
河合塾地歴科講師が、具体的に学習法をアドバイス!
【topics】
地理では問題文が長くなり、図や文章などを資料として使用した問題や会話文の問題が増加しています。日本史では史料・図版・統計表など資料を利用した出題が目立ちました。世界史では史料を活用した問題や会話文を利用した問題が多数出題されました。
地理総合,地理探究
1.解答に時間がかかる、資料や図表の読解が必要な問題が増加
共通テストでは、問題文が長くなり、図表や文章などを資料として使用した問題や、センター試験では地域調査のみで使用されていた会話文の問題が出題されるようになりました。さらに、すべての問題が図表や資料をみて解答する問題となり、センター試験で出題されていた図表なしで文の正誤を判定したり、用語や地名を選択したりする問題がなくなりました。新課程の「地理総合」と「地理総合、地理探究」は、旧課程の地理Aと地理Bにほぼ対応しており、地理総合だけに記載されている「地図と地理情報」はこれまで地理Aだけで出題されていましたが、これからは「地理総合、地理探究」にも出題されると思われます。
2.分布の特徴と統計の背景を理解しましょう
ほとんどが図表の読み取り問題となるため、いろいろな地形や気候区、農業地域、鉱産資源、大都市、言語、宗教などの分布をしっかりと覚えましょう。また、統計図表の読み取り問題では、順位の概要とその背景を理解することが必要です。
3.重要な用語と地名を覚えましょう
問題文や会話文などには教科書に太字で書いてある地理用語や地名が出るので、重要な用語を覚えて意味を理解しましょう。知らない地名があれば、地図帳を見て位置も覚えましょう。
歴史総合,日本史探究
1.共通テストを解くうえで必要な学力
大学入試センターが2022年11月に公表した試作問題や2024年度までの共通テスト日本史A・Bを基に考察すると、新科目「歴史総合,日本史日本史探究」でも、基本的に要求されている学力は、出来事の因果関係を正しく理解する力、歴史名辞の意味を正確に理解する力、史料や統計表などの資料を読解できる力などが中心になると考えられます。
2.史料・図版・統計表など資料を利用した出題が予想される!
共通テスト「歴史総合、日本史探究」でも、従来の「日本史A・B」と同様に、史料・図版・略系図・地図・統計表など諸資料を利用した設問が多く出題されると思われます。受験生に思考力・判断力を求める共通テストでは、新科目になっても資料重視の姿勢は変わらないでしょう。史料・図版・略系図・地図・統計表などの読解力・分析力の養成は、高得点を取るためには不可欠です。
3.問題を解くことからすべてが始まる!
2025年度共通テスト受験生には、とにかく問題演習量の確保を徹底してほしいと思います。過去問がない新科目ですので、まずは先述した試作問題に取り組みましょう。次に4年分の共通テスト日本史A・Bの問題も解きましょう。実際の問題を解くことで、思考力・判断力を求める共通テストの問いの立て方を感じることができます。そのうえで本格的な学習計画を立ててください。そして、学習を進める際、市販の共通テスト「歴史総合,日本史探究」対策問題集を利用するなどして問題演習量を確保することを忘れないようにしましょう。特に、全体の4分の1(配点25点)を占めることが予想される歴史総合分野は要注意です。また、当然ながら思考力・判断力を育成する前提として知識を身につけることも重要です。知識面の強化を怠っては、高得点は取れません。多くの過去問がある旧センター試験日本史A・Bの問題を積極的に解くなどして知識面の強化を図りましょう。
歴史総合,世界史探究
1.2025年1月実施の共通テストから科目が変わる!
これまでの「世界史B」から、「歴史総合」と「世界史探究」の問題に変わりますが、高3生の皆さんが高1生から高3生の間で学んだ内容からの出題になりますので、まったく未知の分野ではありません。とはいえ、不安に感じている方は多いと思います。
2.「世界史探究」は?
「世界史探究」は、「世界史B」よりやや情報が少なくなっているものの、内容はほぼ引き継いでいます。したがって、共通テスト「世界史探究」で出題される「用語」のレベルは、従来の共通テスト「世界史B」と同じか、それより少なめとなります。ただし、それは学ぶべき知識量が減ったということではありません。用語そのものを問うのではなく、出来事の内容や因果関係、背景、影響などを問う出題が増加しています。したがって、教科書などを利用して理解する学習が必要であり、用語の暗記だけでは対処できないでしょう。
3.初めての科目「歴史総合」は、どうやって勉強しよう?
「歴史総合」は、18世紀以降の日本を含む世界の歴史を扱います。「歴史総合」には世界史の内容が多く含まれているため、「歴史総合」の問題の半分以上は「世界史探究」の知識を活用すれば解くことができます。日本史部分の攻略については、普段の「世界史探究」の学習を進める際に、18世紀以降については同時期の日本がどのような状態であったか確認したり、また世界の動きが日本にどのような影響を与えていたか確認したりするクセをつけるとよいでしょう。
4.資料や会話文を利用した問題が多い!
2024年度共通テスト「世界史B」は、これまでの共通テスト同様、史料文・グラフ・地図など資料や会話文を読み取る問題が多く出題されました。では、資料や会話の読み取りさえできればよいのかというと、そうではありません。読み取った情報を習得した世界史の知識と組み合わせ、総合的に判断して答えを導きだす問題が多く出題されました。そもそも、世界史の基礎的知識がないと、資料や会話文のどこがヒントになるのか判別が難しいでしょう。共通テスト「歴史総合,世界史探究」でも、同様の傾向の問題が多く出題されると考えられます。
5.さあ、始めよう!
共通テストでは、古代から現代まで幅広く出題されていて、第二次世界大戦後の歴史からも出題されます。また、政治だけでなく、社会・経済や文化からの出題も多くあり、そこで差がつく傾向にあります。非常に広い範囲の学習が必要ですので、早めに取り組みましょう。その際、「タテのつながり」「ヨコのつながり」を意識した学習を心がけるとよいでしょう。
文章の読み取りを必要とする問題が多いため、問題の分量は非常に多いです。新規科目「歴史総合」対策も含め、模試の活用などを通じて問題演習量を積極的に確保し、形式に慣れましょう。
河合塾の共通テスト対策
共通テスト対策講座では、共通テストで必要となる力を鍛え、今までに実施された試験問題や試作問題の分析を踏まえた実戦問題に取り組むことで、本番での高得点獲得をめざします。万全な対策で自信を持って入試本番に臨むことができます。
冬期・直前講習を利用して、新課程入試に対応した問題で予行演習し、高得点を取ろう!
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