vol.9 松浦 慎太朗さん(2017年度取材) | 卒業生インタビュー 卒業生インタビュー「K会と私」 | 会員の活躍・卒業生の声 | K会
卒業生インタビュー「K会と私」~卒業生に、K会についてお話しいただきました~
「公式や定理だけを勉強するのではなく、MⅠから積み上げ、数学の基礎的な部分から始めて証明を重ねて勉強したのは、数学全般についてまっとうな勉強をしてきたんだ、という自信に繋がりました。」
■vol.9(2017年度取材)
松浦 慎太朗さん(聖光学院高校出身)/東京大学理科二類進学
中学1年生の2学期からK会で数学を学び、高2でカリキュラム修了(MⅠ~MⅤ・Yの5年間)。現役で東京大学理科二類に進学。将来は研究職か官公庁で働くことをめざす。
K会のことはどのようにして知りましたか?
松浦:WEBで数学関係のことを調べていて、なんとなくは知っていました。学校の友達が先に通っていて、彼に「楽しいからどう?」と紹介してもらいました。
いつごろから数学が好きになったのでしょう?
松浦:小学生の頃は算数が得意ということはなかったですし、中学受験で武器だったわけでもありません。ただ、漠然と数学について憧れの気持ちがあり、中学に入ってから楽しくなりました。中1の2学期からK会に通って数学の世界の拡がりを知ってからは、より興味がわいて勉強する気持ちになりました。
最初に授業を受けた時はどんな感じでしたか?
松浦:最初の授業内容は「対数」でした。対数だとlogという記号が出てくるんですけど、もともと数学に出てくる記号がかっこよく思えて好きだった僕は、おお!って、思ってしまって(笑)。必死に理解しようとした覚えがあります。難しいことでも理解できた部分があることがすごく刺激になったし、多少わからなくても〝理解しようとすること〞、それ自体が楽しかったです。
その後、数学講座を受講し続けてみてどうでしたか?
松浦:MⅡ(※)で高校数学までやれたのはすごく良かったですね。早めに基礎的な部分を身につけるとMⅢ(※)以降で発展的なことをやりやすいですし、自分でも数学の本が読みやすくなります。大学受験に向けた勉強も困らなかったです。
学校の勉強との兼ね合いはどうでしたか?
松浦:数学に関しては、学校で学ぶ内容は既にK会で受講していましたし、自分でもやっていたので、内容が分かっている状態で授業に臨めたので苦労しなかったです。数学の刺激を与えてくれる週1回のK会がすごく楽しみでした。
他の塾に通ったことはありますか?
松浦:K会のカリキュラムを高2で終えた後、数学以外の教科に少し不安があったので高3で入試対策のための塾に通いました。K会との違いを一番感じたのは講師の方に関してです。K会の先生達はとにかく数学が好きで、その楽しさが生徒である私にも伝わってきていました。数学に対する情熱を感じて、数学はとても魅力的な学問なんだなと感じました。
テキストについてはどう思いましたか?
松浦:自分が持っている本の中で、最も数学的に数学のことを書いた本だと思っていて、今でも大切にしています。中高生向けの一般的な参考書は受験という視点で書かれているわけですが、K会の本はそうではなく、普通の数学のテキストだと思います。中高生でそういったものに触れる機会は少ないので、自分が持っている数学の本の中で一番本格的なものでした。K会に通っていた土曜日以外にも結構かばんの中に入っていました。
それは嬉しいですね。ところで、長く通ってもらった中で、難しいと思ったことやつまづきを感じた時はありましたか?
松浦:やはりYコース(※)の後半はどれも難しかったです。特にMⅤ・Yではとても進んだ内容を学んだと思います。それでも少しずつ理解できて、自分も5年間でこういうことが理解できるようになったんだ、と思えたのが嬉しかったです。学んでいく中で数学の力が上がっているなと思うことも多くありました。
松浦君はMⅡ修了後はYコース(中高数学・発展)を選択されましたが、集中講座では「現代数学への誘い」も受講してくれましたね。
松浦:僕はXコース(※)を選択しなかったので、現代数学についてはあまりよく知らなかったんです。この集中講座でいくつかの現代数学の分野の入門部分に関する講義を聴いて、その後自分で買ってみた本がとても読みやすくなったり、自分が触れたことがない分野も知って面白そうだなと思ったり・・・後々の学習に繋がる講座でした。
受講した後に、松浦君が大学で勉強するモチベーションにします、と言ってくれていたことが印象深いです。現在MⅠ・MⅡを受講している方へのアドバイスなどがあればお願いします。
松浦:僕はMⅠ(※)の3学期に少し苦戦した覚えがあります。「数列」終盤のところなどは、【こうすればこういうことがわかるらしい】くらいしかその時は分からなくて、高校生になってからテキストのこの部分を読み直したのを覚えています。それで「ああ、こういうことか」と納得しました。K会のテキストは本当に後から読み返すことが多かったです。受験期になると問題を解くことが中心になってきて、数学の根本的な部分・原理的な部分が気になっても、ぱっと自分でわからないことがありました。そこでK会のテキストを見直すことはよくありましたね。
必ずしもその時々に100パーセント理解しなくても良い?
松浦:僕は完璧主義ではなくて、K会そのものの雰囲気とか数学を勉強すること自体がいいなと思っていたので、あまり張りつめた気持ちでは受講していなかったと思います。完全に理解できない部分があったとしても、深刻に捉えずにその時わかったことを覚えておいて、わからないことは後々復習したり振り返ることで構わないんじゃないかと思います。実際、後になってよくわかるということはありますし。僕が5年間K会に通えたのもそれがあったからですね。
Yコースの授業は、前半の第一節で基本事項を押さえながら問題をたくさん解き、後半の第二節(応用・拡大)では第一節に関連の深い内容を掘り下げて講義します。印象に残る内容などがあれば教えてください。
松浦:Yコースの第二節(応用・拡大)はすごく楽しかったですね。普通に数学を勉強しているだけだと巡り会えないようなことが多くて、難しかったですがとても面白くて刺激的でした。「ああ、こういうことも数学で考えるんだ」と思いました。特に印象深かったのは射影幾何の話です。面白いなと思って自分でも本を買って読んでみたりしました。
松浦君は楽しそうに学んでくれていましたね。気楽な気持ちで、ということがポイントでしたか?
松浦:勉強を続けていく中で、少し前のことを振り返ったらずっとよく理解できる、ということがあると思うんです。二年くらい経つと結構数学の力はつくので、二年前にあやふやだったことが、とてもよく理解できるなと思うことがありました。例えば、MⅢ・Yの2学期に「形式的べき級数」の概念が出てきますが、MⅠの3学期のテキストを見てみると「これはこういうことだな」とよく分かったり。
大学受験においては、どのようにK会の数学は役立ったでしょうか?
松浦:入試の数学で難しい問題は、K会で習ったことが題材になっていることもあると感じました。問題に対して俯瞰して見られるようになるとか、問題を読んだときに「ああこれはこういうことが問われている問題だ」と背景まですぐにわかって解けることは大きなメリットだったと思いますね。公式や定理だけを勉強するのではなく、MⅠから積み上げ、数学の基礎的な部分から始めて証明を重ねて勉強したのは、数学全般についてまっとうな勉強をしてきたんだ、という自信に繋がりました。
K会のテキスト以外でよく使ってた参考書はありますか?
松浦:大学受験に向けては、それほど難問を扱わないベーシックな参考書を活用して、その例題だけ解いていました。入試問題を解いていくにはやはり慣れも不可欠だと思います。
数学の勉強にはかなり時間を割いていたのですね。
松浦:中高生の頃は、積極的に勉強していたのは数学だけだったような気がします。といっても、特別難しいことはやらなくて、問題を解いたり、K会のテキストをパラパラ見たり。「これを理解できなければ!」という真剣な感じではなく、単に面白いからという気楽な気持ちでした。明確な意思を持って勉強する人よりは身につきにくかったと思いますが、K会に5年間通えたのも、結局はその気楽な気持ちということが大きかったのかもしれません。
高校時代には模擬国連の活動も頑張っていましたね。
松浦:模擬国連は、いろいろな高校から生徒が参加して、国際的な問題について様々な国の立場から自分にとって有利な主張をし、相手も納得させるような議論をします。論理的な考え方が必要で、政策を考えたりもします。事前のリサーチをしたり、それを踏まえてどんな政策がいいか、どうしたら相手が納得できるかを考えたり、議論したり、小論文を書いたり・・・とにかく楽しかったです。相手に納得してもらうためにはごまかしがあってはいけないですし、論理的に正しいことを考え、展開するところは数学と似ていたかもしれません。他の高校の人との交流にも刺激を受けました。
大学では学業以外にどんなことに取り組んでいますか?
松浦:ドラムを始めたり、TeX(テフ=数式などを美しく印字する組版などに使われるプログラミング言語)愛好会で活動したりしています。K会のテキストもTeXで書かれていますが、文字のフォントや組版などの美しさが違うなと思います。とても深い世界で、面白いですね。
大学でK会で学んだことが生きている部分はありますか?
松浦:今のところは、大学で学ぶことの中にはK会で習ったことも非常に多く含まれていて理解に困ることは少ないです。大学の授業スタイルも高校とは大きく違いますが、K会とは似ているところもあって違和感なく取り組めています。また、K会の集中講座「現代数学への誘い」やYコースの第二節(応用・拡大)で面白いなと思った内容について、自分で本を読んだりしています。
大学ではこれからどんな分野を探究していきたいですか?
松浦:数学はもちろん、大学に入ってからは物理や情報分野についても興味が出てきました。また、人文系の学問も面白そうだと思っています。学部選択までまだ少し時間があるので、じっくり悩みたいです。
どんな人にK会を勧めたいですか?
松浦:学校の勉強だけに満足できない人はもちろん、好奇心が強い人には特にお勧めだと思います。受験などにとらわれずに自由に学問的な側面に触れられるのは貴重なことです。
文中の(※)…K会の数学講座カリキュラム
MⅠ:5年間カリキュラムの1年目講座
MⅡ:5年間カリキュラムの2年目講座
MⅢ:5年間カリキュラムの3年目にあたり、Xコース(現代数学)とYコース(中高数学・発展)のいずれかを選択いただきます。
Yコースの場合は「MⅢ・Y」と称します。
どうもありがとうございました。これからもK会で学んだ経験を活かして、充実した大学生活を送ってください!
その他の卒業生対談を見る
-
資料請求はこちら