受験対策をする 医学部をめざす|河合塾の難関大学受験対策
医学部をめざす受験生へ河合塾の進学アドバイザーがアドバイス
河合塾の進学アドバイザーである医進チューターが、医学部受験のポイントと対策をアドバイス。チューターのアドバイスを基に、医学部合格に向けて受験対策をはじめましょう。
医学部受験では難しい問題を解かないといけない?
皆さん、志望校は決まっていますか?医学部の偏差値は、東京大学理科三類の72.5から私立大学医学部の60.0までとなります。決まっていない方は、大学により科目負担が大きく異なりますので、まずは国公立大学志望か私立大学志望かを決めましょう。
「医学部は偏差値が高いから、難しい問題を解かないといけない」と思われている方が多いですが、実はそんなことはありません。医学部は、東京大学、京都大学、大阪大学、東京医科歯科大学などの最難関大学を除き、ほとんどの大学が標準問題を出題します。たとえば地方の国公立大学は、その地域の高校生に入学してほしいと考えているので、その地域の高校が使用している教科書で扱っている問題しか出さない大学もあります。そのため、そのような大学は標準問題で高得点を取らないといけません。
最難関大学は、参考書や問題集に掲載されているような問題が出題されることは少なく、初見で考察させる問題になっています。一見難しい問題に見えますが、問題文を読解できれば基礎の組み合わせで解けるケースがほとんです。そのため、再難関大学では標準問題を解く基礎力に加え、基礎を組み合わせるアイデア、発想力が必要ですので、自分で考える力を養うため、復習より予習が重要になります。河合塾の講座でいうと、テストゼミ形式(テスト+解説講義)の講座は最難関大学対策に最適です。
また、国公立大学の場合は、共通テストで8~9割以上の得点が必要です。二次試験は標準問題が多く大きな差がつかないため、共通テストで目標の点数に届かない場合、7割ほどの受験生が志望校を変更しているくらい、二次試験で逆転することが難しいです。そのため、基礎レベルの完成度を高め、共通テストで9割くらい解けるようにしておく必要があります。共通テストで9割近く得点が取れたら、二次対策の英語と数学と理科の記述力を上げる、という対策をしていくとよいと思います。
医学部入試は、全範囲からまんべんなく出題されることもあり、基礎がどれだけ正確に理解できているかが重要となります。今の自分の学力や苦手にあわせて穴のない対策が必要です。
数学や理科の答案でも医師としての説明能力が問われる
医学部は各科目の対策にも特徴があります。
理科が一番大変!
今の医学部受験は理科が一番大変です。前回の学習指導要領の改訂で「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」に変わって、教科書で学ぶ内容が大幅に増えました。これは学校の勉強だけでは対策が大変だと思います。
医学部受験生は、生物は動物生理に興味を持ちやすく、遺伝子・免疫・恒常性は頑張りますが、進化・分類・生態系・植物は後回しにする方もいます。ですが、医学部入試の理科はまんべんなく幅広く出題されますので、とにかく幅広い対策が必要です。そして、特に私立大学は英数理の配点が1:1:2など、理科の配点が大きい大学も多くあります。これは医師国家試験に合格してもらうために、理科の配点を高くする傾向があるからです。
配点が高く重要科目であり、かつ学ぶ量が多いにも関わらず広く出題される理科は、ギリギリになって付け焼刃でどうにかできるものではないため、受験勉強の優先順位は理科が最優先だと思います。学ぶ量が多い理科だからこそ、塾の価値があると思います。
数学は採点基準が厳しい
国公立大学の二次試験は、数学Ⅲがメインで出題されます。関数の概念そのものを理解せずに、なんとなく公式を覚えて計算して、ということをやっていると、応用問題で対応ができなくなってしまいます。基本を理解できているかどうかはとても重要です。
そして、医学部の場合、数学の採点基準は厳しく、二次試験で6割取れたと思って帰ってきた受験生でも、成績開示結果を見ると4割くらいしか取れていないことが多くあります。問題の設問要求を細かくしていて、その設問要求に解答していない答案は点がもらえなかったり、考察過程が書かれていないとどんどん減点されたりします。これは医師としての「インフォームド・コンセント」、つまり説明能力が答案で問われています。そのため、本番の試験でしっかりと点が取れるように、採点者に伝わる答案作成が大切です。これは一人では対策が難しいので、添削指導を受けると効果的です。
共通テストは文系科目も大事
共通テストで9割取るために、文系科目でも安定して点を取れるように対策しましょう。
皆さんは古文の助動詞の活用法は覚えていますか?国公立大学の受験生にとって古文がすごくネックで、覚える量が圧倒的に多いので、英数理の勉強に忙殺されて古文まで手が回らない方が多いです。覚えていない場合は目につくところに助動詞の活用法を貼って覚えましょう。古文単語の量も多く、暗記が本当に大変だと思います。隙間時間にやらないと終わらないので、時間をうまく使えるかどうかが合否の分岐点となります。
英語は時事ネタに対応できるようアンテナを張る
医学部の英語の長文問題は素材が新しくて、2023年度入試(2023年4月入学)は2022年を中心に、化学雑誌やインターネット上の記事などから出典されていました。環境問題、SDGs、LGBT、人種差別問題などの時事ネタが中心で、現代社会にアンテナを張っておかないと、時間内に読み切れるような問題ではありません。
二次対策として記述力も上げる必要があるため、英語についても、特に頻出の自由英作文の答案作成力を上げるために添削指導を受けましょう。
医学部に合格した塾生のエピソード
基礎固めをおろそかにしない
たとえば化学は理論分野から、数学はⅠAの分野から積み上げていかないと穴がたくさん開いてしまうので、基礎からじっくり固めていった方が最終的には合格できていると感じます。じっくり基礎からやることが重要なので、基礎がおろそかなままでの先取り学習はおすすめしません。
あきらめずに最後まで頑張れる
医学部に合格したある塾生は、英語と数学、理科2科目を受講していて、休まずに塾に来ていました。授業がない日も自習に来ていたので、リズムがきちんとできていました。あとは、あきらめずに最後まで頑張れるかどうかです。私立大学はすべて不合格でも、国立大学だけ受かった塾生もいるので、そういう粘り強さも大切です。
学力の定着には復習が大事
基礎固めのためにはテキストや模試の問題を繰り返し解きましょう。
新しい問題集を三冊やるより、良質なテキストを三周やる
医学部の問題は標準レベルですが、分量がとても多いので、試験時間中に「あれ何だっけ」と考えている時間がありません。問題を見た瞬間に反応できるように定着させておかないといけないので、良質なテキストに絞って何十回もやることが効果的です。新しい問題集を三冊やるより、河合塾のテキストを三周やったほうがプラスになります。
河合塾の全統模試は医学部入試に近い
医学部の問題は思考力を問う問題が出題されます。河合塾の模試は質が良くて思考力を問うオリジナル問題が出題されるため、とても医学部入試に近い内容になっていると思います。入試の的中率も高いので、見直しや復習をしっかりやることが大切です。復習を先延ばしにすると7割忘れてしまうので、どんなに疲れていても当日中に復習をしましょう。1カ月後、3カ月後に問題が完璧に解けるようになっていると合格に近づくので、とにかく復習が重要です。
実際に受験生を見ていても、私立大学の前半戦に10敗したのに東京慈恵会医科大学にだけ受かったという受験生がいて、試験当日中に復習をしていくと、学力はどんどん高まっていくと実感しました。
正解した問題でも理解しているとは限らない
全統共通テスト模試はマークシートなので、8割取れていても実際の学力は7割で、1割分は勘という場合もあります。間違った問題を見直すだけでなく、正解した問題も本当に理解しているか突き詰めないと、苦手なところが隠れているケースがあります。全統共通テスト模試の問題は質も高いですし、全部が良質な宝の集まりのような問題なのでしっかりと見直しましょう。
受験生へのメッセージ
医学部受験は教科別の点数ではなく総合点で決まりますので、各教科のバランスが大事です。高得点勝負になっていますので、得意科目で苦手科目を補うことは難しい状況です。そのため、改めて自分の苦手科目を確認し、どの単元が苦手なのかを書き出してみて、それを学習計画に落とし込み、自分にあった講座で苦手科目を克服しましょう!
河合塾では、高3生・高卒生は講習にテーマ別講座がありますので、苦手な単元を集中的に対策できます。高3生は高校グリーンコースの医進講座も活用しましょう。
高1・2生は特別選抜講座で対策し、苦手科目は難関講座で基礎レベルからやり直しましょう。早めに苦手科目に立ち向かって取り組めるかどうかが合否を決めると思います。また、中学生から英語・数学の講座を開講している校舎もあります。大学受験はゴールが決まっていますので、スタートは早ければ早い方が有利です。頑張ってください。
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