新年度学習計画を立てよう 知っ得!医学部合格の処方箋 実践していますか?~実践編~ | 知っ得!医学部合格の処方箋 | 医の知の森<近畿地区医学科進学情報センター>
1年の計は春にあり
限りある時間の中、早い段階でより本格的な学習に取り組むために学習計画をしっかりと立てましょう!
学習計画の意味
新学年(新年度)になってすでに2ヶ月が経とうとしています。高校生や高卒受験生の皆さんは、学習計画を立てながら日々を過ごしておられるでしょうか。
よく「計画を立てても守れないから立てない」という人がいます。実は学生にとって「学習すること」はあまりにも日常化しているため、漫然と日々を過ごすと達成感を感じにくいものです。そのために日常で「計画を守ろうという緊張度が失われる」という人が多いのではないでしょうか。結果として、「計画どおりにしようという意欲が薄くなる」=「計画を立てても守れない」となってしまいやすくなるようです。
具体的な目標を設定しよう
学習計画を守るためには、目標を立てて緊張度を高めることが必要です。では、何を目標に立てましょうか。これという正解があるわけではありませんが、例えば河合塾の模擬試験で「過去の医学部合格者の平均成績に到達している」かどうかを目標に設定することもその一つといえるでしょう。
<表1>は「2016近畿地区国公立大学医学科合格者の高1・2模試での成績」を示しています。ここでは偏差値での成績を出しており、例えば滋賀医科大では、高2模試では「偏差値66.0」強の成績が合格者の平均ということになっていますし、大阪大なら総合で「偏差値76.8」が合格者の目安です。
<表1>2016近畿地区国公立大学医学科 合格者の高1・2模試での成績
「偏差値をいくらにする」という目標は立てにくいため、偏差値を大体の得点に置き換えるとよいでしょう。<表2>には昨年の、ある高2模試の「偏差値と得点の関係」を示しておきました。これなら、滋賀医大に合格するには高2模試で7割くらい、大阪大に合格するには8割5分~9割の得点が必要なことがわかります。それを念頭において学習をしようとすれば、計画性を重視して、緊張度を高めた学習を進めなければならないことが感じられるはずです。
<表2>2016年第2回全統高2模試 偏差値と得点の関係
先輩たちの学習計画を参考にしよう
具体的にどのように計画を立てるか、サンプルを見ながら考えてみましょう。まず、計画は長期で立てることよりも1週間の使い方を考えれば、より具体性が増します。
<サンプル1>は現役で北海道大学に現役合格した「K.T.」さんの学習計画です。高校の授業は基本的に50分だと思われますが、学習計画を見る限り「自分の学習時間」では、それより時間が長いことがわかります。これはどの人にも共通のことですが、自習時間のインターバルは高校の授業時間よりも長いことが多く、最終的にはこの集中力が受験への対応力を向上させているといえます。睡眠時間を削らないように終了時間を一定にしていることもわかります。
また、計画表から読みとることはできませんが、「簡単なことから達成させてやる気を出す」ような工夫や、現役生特有の「未習範囲」を克服するために、授業進度に合わせて「基本~発展問題」の順に取り組むような調整もしていたようです。
<サンプル1>現役:北海道大学医学部医学科合格K.T.さんの1週間の学習スケジュール
<サンプル2>は同じく現役で大阪市立大学に合格した「M.N.」さんの学習計画です。計画表に「朝学」(「朝の学習」)が入ってきていることがわかります。学習時間を捻出するための工夫の一つといえるでしょう。集中度を高めるために、居場所を「自習室」としているところが多いことも工夫のひとつです。
また、表からは読みとれませんが、時間を科目単位で区切り、時間単位でやるべきことを明確にして「終わらせる」ことを念頭に集中力を高める工夫や、演習した問題に「日付と解答に要した時間を記録」しておいて、再度やり直す時の優先順位を決める準備をするなど、なかなか周到な学習を心がけていたようです。
<サンプル2>現役:大阪市立大学医学部医学科合格M.N.さんの1週間の学習スケジュール
高校1・2年生の方はクラブ活動をやっておられる方が多いでしょうから、これらのサンプル計画表のうち平日は夕刻の19時以前の時間を削る必要があるでしょうし、通学に時間のかかる方も、より移動時間の幅が大きくなるに違いありません。しかし、ご自身の状況にあわせて学習計画を立てることと、時間の多さだけではなく、集中力を高める訓練もあわせて行うことが必要です。
ある受験生は「学習時間」×「集中力」=「成績」だから、いずれがゼロでもかけ算すればゼロになってしまう・・・といいました。限りある時間の中で目標を見つけ、早い段階でより本格的に学習に取り組んでいければ「医学科合格」が現実のものになるに違いありません。