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医学科入試で科される「面接」について最終チェック!
今年度の受験生はすでに私立大入試が終了し、あとは国公立大入試のみになっている人がほとんどでしょう。面接試験に関するトピックスは『医の知の森』のTwitterで二十数回述べていますし、平田先生の解説でも底流にある方向性に触れています。ここでは改めて、入試で科される面接について最終チェックしておくことにします。
面接試験は形態別に見ると、以下の三種の形態があります。
(1)個人面接
(2)グループ面接
(3)討論
(1)の個人面接の場合、受験者1名に対して面接官が2名ないし3名程度が一般的です。基本的に面接官が1名で実施されることはありません。面接時間は短いもので5分程度、通常は10分~15分程度なのであまり長くはありませんが、練習していないと「途方もなく」長く感じるものです。
(2)のグループ面接の場合は、受験者4~5名に対して面接官が2名~5名程度です。質問方法はまちまちで、順番に指示して回答させることが多いようです。
(1)や(2)の場合、少なくとも発言の機会があるのと、個人についての質問がありますので、本人の人物についての問いがある可能性が高いことになります。
(3)の討論のみは、テーマを決めて「討論」させ、それを面接官が見る形をとるため、面接官は本人に直接質問ができません。この形態では、現実の対面状況で「コミュニケーション力を発揮している状態」が見られます。
滋賀医大のように(3)のパターンのみを単独で実施することがありますが、香川大のように(1)と(3)と組み合わせたものや、富山大のように(2)と(3)を組み合わせているケースもあります。これは、討論を通じてコミュニケーション能力を見るとともに、個人に関する質問を並列させることも考えたうえでのことでしょう。
なお、基本的に「討論」形式では東邦大以外は結論を出さないでいいことが一般的です。
また、討論型の面接では、まったくの初対面の人と話すことになりますが、間合いをはかってなかなか話の本論に入りきれないことが多く、ようやくグループが「話せる雰囲気」になったと思ったら、残り時間があまりなくなっていることも考えられます。討論といえども時間が15分程度しかない大学が多いため、できるだけ話の本論に早く入るように努めることが大切です。
さて、面接試験といえば先ずは志望動機の質問です。これはほとんどの大学で尋ねられていますが、その延長線ではその大学の設置されている都道府県の医療状況についての理解を尋ねられることがあります。私立大では設置県の医療に関する問いはほとんど見かけませんが、国公立大では設置権者の関係からか比較的多いようです。しかし、これが大学のホームページで詳しく書かれていることは少ないのです。
これらは「都道府県のホームページ」に書かれているのが普通で、「暮らし」や「医療・保健」などの名称の区分のところに医療関連や医師養成の計画などとして掲載されていることが多いようです。公的な報告書ですから、読みとるのに時間がかかることはやむを得ません。しかし、ここにあるのは具体的な計画や数字など、その都道府県の持つ個々の医療事情が書かれた非常に大切なものなのです。少なくとも自分の出願しようとしている大学の設置されている都道府県の医療事情をよく調べ、そのうえで面接会場に来るのは、その大学設置県の医学科を受験する者にとっては一通りの礼儀のように思います。
受験する大学の所在県の「医療圏の区切り」がどうなっていて、それぞれにどのような特徴があるのか、二次医療の「病床機能数」はどうなっていて、将来の県の計画ではどうなっているのか、県の「医師確保のための施策」はどうなっているのか、自分でも納得してから受験に臨むようにしましょう。
面接に臨む受験生はその大きな地図の中に位置づけされて、将来の医師としての資質を問われることになるのです。