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2018.3.29公開

避けなければならないのは、慢性的集中力欠如の状態

失敗しない学習計画は、「はじまり」と「終わり」を決めること。どのように計画を立てれば良いのかチェックしましょう!

どの時間に学習しますか?

受験生の皆さんは、1日のどの時間帯で学習しているでしょうか。参考までに河合塾の生徒が「自宅での学習時間帯は?」という問いに対して、成績別にどのような割合で回答しているか見てみましょう。

学習時間帯

朝(4時~朝食)

夜(帰宅後~0時)

深夜(22時~2時頃)

成績帯

上位:10.6%
中位:7.9%
下位:4.7%

上位:77.7%
中位:77.2%
下位:80.4%

上位:11.6%
中位:14.9%
下位:14.9%

ちなみに、上位は偏差値57.5以上、中位が偏差値45.0~57.5、下位が偏差値44.9以下という成績分類にしています。

すぐに気づくのは、成績上位の生徒が「深夜」の時間帯に学習している割合が少ない一方で「朝学」がやや多く、成績下位の生徒ほどその逆になっているということでしょう。これが何を意味するのか、学習の現場指導の経験から考えてみます。

学習はまず「はじまり」、次に「終わり」

日々の学習では、まずは学習の「はじまり」の時間を守る努力をすることが重要です。朝、電車に乗り遅れないように走ることがあるように、日常の自宅学習でも「何時にはじめる」と自分で決めたら、是が非でも時間を守るこだわりを持ちたいものです。日々の学習はじまり時間を何となくぼんやりとスタートすることが多いと、いずれ「学習が始まらない日」があることにもつながります。まずは「はじまり」の時間が基本です。
さて、一定程度の学習習慣が備わってきますと、次の問題に突き当たります。今度は逆に終われなくなってくるのです。ノリがいいのでこのままでやっていきたいと、ついつい夜更かしするようになります。しかし、学習は毎日やることですから、一日が長くても翌日の集中力が欠けるとあまりよくありません。
もっとも恐いのは、長い時間で学習することがクセになってくると、本当はもっと短い時間でできるはずの学習を「ゆっくりやるクセ」がつき、慢性的な集中力欠如状態になることです。速読せず、緩い計算速度の日常学習は、生活習慣病のように学習のベースに入り込んでくるため、多くの人が無自覚になります。しかし、このことは意外と知られていません。
先ほどの学習時間帯調査で、成績下位の人ほど深夜の時間に学習することが多いのは、自分の好きなペースで学習することが可能なことと関係があるように思います。
定期テストの成績程度ではそのことを自覚しにくいですが、試験時間が90分を超える模試や入試本番では、明らかに結果に影響するようです。「あと5分あったらできたのに…」などという言葉を発している人をよく見かけますが、その5分がなくてもできた人が自分以外にいることが現実です。
こういったのんびりとした学習を避けるためには、今度は学習の「終わり」を自分で決め、「この時間まで」に終わらせるという心構えで集中力を上げていく必要があります。速読、最大計算力…こういった入試の基本は日常学習の心構えから出てくるものなのです。
先ほどの学習時間帯調査で「朝学」の人が成績上位者に多いのも、登校前の学習では「終わりを意識した集中度」を発揮しなければならないことと関係があるように思います。
同じように学習しているように見えても成績の伸長に差があるのは、こういった時間単位の集中力の差があるからではないでしょうか。日常の学習習慣を見直すことなく、魔法のように成績を伸ばすことは困難です。しかし逆にそこを訓練し、そのうえで「学習計画」を立てていけば学力を伸ばすことが間違いなくできるはずです。

学習計画を立てる方法

医学科受験をめざす人だけではなく、受験生ならまずは学習計画をはじめに立ててから学習をスタートすることが必要です。計画を立てても守れないから立てないなどという人がいるようですから、ここは一つ失敗しない計画方法を考えましょう。
これまでの経験から見て受験生の「失敗する計画」の大半は、長期すぎるスケジュールを立てることにあるようです。長期計画を立てたことがない人がいきなりそういう計画を立てると、その計画を実行できている自分のみを想定しがちです。ところが実行してみると現実はそうもいかず、「いついつまでにこれこれをする」…「ちょっと遅れているなぁ」…「気がついたら計画が破綻してるじゃないか」…という具合になってしまうことが多いようです。
しかし、もっと恐いのは「できている」ことにしてしまう人です。「この計画」ができないと自分の予定している「次の段階」に進めないという気持ちが無意識にあって、本当は内容的にちゃんとできていないにも関わらず、できていることにして進んでしまう人がいるのです。こうなってくると、実力が伴わないことが模試成績に出ても、それさえ受け入れられないという現実逃避に陥らないとも限りません。
そこで、学習計画にしくじった人をたくさん見てきた経験から、受験生の皆さんには短期サイクルの学習計画を私からお勧めします。まずは「1週間の学習計画」を立てることです。これなら、毎週仕切り直しができるでしょう。「先週はうまくいかなかったが、今週は頑張ってみるか」という具合です。できている自分を勝手に想定している暇もありません。
新学年になって一通りの生活習慣が定まったところがチャンスです。月曜日は何をする日、火曜日は何をする日…という具合に曜日に役割を持たせることができれば、計画を保てる可能性が高まります。「今週は月曜日にするはずのものはクラブの試合の都合で飛ばしたな…これは来週にするとして、火曜日はできるはず」、という具合に1日ごとに自分が計画を実行したかどうかの自覚が生まれます。

1学期の終わりにめざす自分の姿や、2学期の終わりにめざす自分の姿を想定する…学習の「はじまり」の時間を守り、「終わり」の時間を意識する…日々の「集中度」を上げ、「曜日ごと」の役割を実行する…気づけば皆さんが「受験生の理想の姿」になっているに違いありません。