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2017.11.28公開

理系生の鬼門、センター国語を突破する解はあるのだろうか?

大学入試センター試験本番まであとわずか。実話から誕生した「ある学習イベント」がスゴイ!「冬の攻略編」(実践編)もあわせてチェック!

大学入試センター試験が迫る

大学入試センター試験本番まであとわずかとなりました。みなさんの心構えはいかがでしょうか。次の2018年のセンター試験は例年よりも曜日の都合でほんの少しだけ日程が早く、1月13日・14日の土日となっています。例年よりも数日早いだけですけれど、受験生にとって数日でも時間は非常に重要ですね。高得点を取れるように、最後まで対策をしたいものです。

どの科目でどれくらいの得点を取るべきか

医学部受験生の皆さんは、二次試験で必要な「英語・数学・理科」の学習なら、ある程度時間をとって学習しているに違いありません。もっとも、センター試験の場合は、80分もしくは60分の時間制限の中でどれくらい実力を発揮できるかがポイントですから、油断はできません。この辺りのことはこれまでも繰り返しお伝えしてきました。因みに、下に近畿地区各大学の医学科合格者の「センター試験平均得点」を示します。

<表1>2017近畿地区医学科合格者平均得点(一般入試・前期)

大学名 英+L 数学① 数学② 国語 理科(高) 理科(低) 地歴公民
滋賀医科 184 92 89 163 95 85 83
京都 192 99 97 165 98 92 88
京都府立医科 186 95 92 156 95 85 83
大阪 190 98 96 164 98 91 88
大阪市立 182 95 94 152 96 88 83
神戸 188 97 94 162 96 90 86
奈良県立医科 186 95 89 149 96 89 83
和歌山県立医科 182 93 89 146 94 85 84

上記を見てもわかるとおり、二次試験で使用する「英語・数学・理科」では、センター試験でも高得点を取れることが原則です。その一方、医学部受験生は「国語」や「地歴/公民」など文系科目の得点に苦労しているように見えます。「国語」は年度によって若干の平均点上下があり、その影響が出ますが、「地歴/公民」の平均点は合格者といえども毎年8割少ししかないことが多く、苦戦をしているようですね。
しかし、学習上でもっとも対策が大変なのは、むしろ「国語」の方なのではないでしょうか。「国語」と一言でいっても、実際には「現代文」と「古文」と「漢文」の三つのパートに分かれているわけですから、それなりに学習のボリュームがあり、日常学習でどのように時間配分するかに工夫が必要になるでしょう。しかも、出題される題材によっては取っつきにくいケースもあって、理系の生徒はそれなりに不安があることでしょう。

解説への取り組みを徹底する

ここで、過去にあった「ある学習イベント」のご紹介を通じて、センター試験対策のあり方を考えてみましょう。実はこのイベントをスタートしたきっかけは、ある実話に基づいた経験によるものです。まずはその実話のご紹介です・・・。
ある年に、何年も浪人を重ねているGくんという生徒がいました。Gくんはセンター試験の国語の得点が出せないためにトータル点数が伸びず、なかなか医学科に合格できない状態が続いていた多浪の生徒です。
その年のセンター試験のまさに前日、彼は「明日のために最後まであがいてみよう・・・」と、河合塾のマーク模試の国語の過去問を解いて解説を読みはじめたのですが、実はこれまで自分が国語の解説をじっくり読んだことがなかったことに気づきます。しっかりと解説を読むと、何だかわかってきたような気がするのですが、その後でどうしてもそれを確かめたくなるものです。
そこで、「もう1回やってみよう・・・」と次の問題に取り組み、さらにその解説にじっくり取り組むことを繰り返した結果、あまりにも解法が自分の中でクリアになってきたために、「寝る」のが恐くなってしまいます。なぜなら、「寝たらすべて忘れてしまうかもしれない」と思ったからです。そこでそのままそれを繰り返した結果、ついに朝になってしまいます。
彼はその日、結果的に徹夜してそのままセンター試験に臨むのですが、毎年6割少しだった国語で、なんと9割の得点を取るという「奇跡」をおこしたのです。もっとも、これは奇跡というより、「解説への取り組み」と過去問の繰り返しのバランスが絶妙だったことによる当然の結果といえます。特に、解説が充実したものでなければその「奇跡」はおこらなかったといえるでしょう。
ですからお断りしておきますが、この話の教訓は「前日に徹夜しろ」ではなく、「解説にじっくりと取り組め」もしくは、「しっかり解説を先生から受けろ」ということです。
ちなみに、河合塾では模試実施後に配布する「解答」が掲載されている冊子は「解答・解説」と呼ばず、「学習の手引き」と呼んでいます。模試を生かすための充実した解説が掲載されているからこそ、その呼称にこだわっているのです。

「プロジェクトG」(センター試験 国語得点力アップ作戦)始動!

さて、さきほど紹介しようとした「ある学習イベント」とは、この出来事に基づいたもので、彼がやったことと同じことを再現してみようというものなのです。名付けて「センター試験 国語得点力アップ作戦」、別名はGくんに因んで「プロジェクトG」といいます。実施手順は以下のとおりです。

<イベント手順>

これを1日で4セット、さらにそれを2日間実施しました。およそ1日に9時間ですから、2日間で合計18時間のハードな長尺イベントです。
イベント中は自分への厳しさも必要ですから、解説の熟読中に「トイレにいきたいです・・・」「我慢しろ、行くな」とか、「もう読み終わりました・・・」「あと5分読め」など、相当徹底力を駆使した指導を行ったものです。
そんなやりとりをしていたものの、ハードな中にも有意義なイベントに取り組んでいるという、自分たちへのプライドを彼らに感じたものでした。さて、下のグラフがその結果を示したものです。

<グラフ2>「センター試験 国語得点力アップ作戦」の結果

<グラフ2>「センター試験 国語得点力アップ作戦」の結果

いかがですか、この結果!

実は、過去に実施した模試を提供していましたので、実施時の全国平均点はすでにわかっており、それと彼らの自己採点集計結果を並べることができました。見ての通り、模試は後半で平均点の低い(難度の高い)ものが混じっていますが、明らかに彼らの平均点はそれと関係なく上がり続けていることがわかります。
この母集団は一人として人間が入れ替わっていないことも付け加えておきます。すべて同一人物たちのグループの結果です。

多くの人がセンター試験対策というと、「過去問を次々とやり続けるだけ」という失敗をします。重要なことは、実際に自分が解いてから、次の問題に取り組むまでのインターバルなのです。取り組んだ問題への解説をいかに重視するかが運命の分かれ道になることを、このイベント結果が示しているといえるでしょう。そのための有効な解説を得るための鍵が、予備校では講習です。別記事の「冬の攻略編」で講習を利用した直前学習のあり方をご覧いただければ、自学自習の過去問対策では到達できない、万全のセンター試験対策ができるに違いありません。