模試の目標点の設定(高3模試の場合) 知っ得!医学部合格の処方箋 意識していますか?~心がけ編~ | 知っ得!医学部合格の処方箋 | 医の知の森<近畿地区医学科進学情報センター>
信頼の全統模試、信頼のチューター
過年度の模試結果から見た医学科受験生がめざすレベルとは?
マーク系の模試の場合(センター試験の模試として)
マーク系の模試といえば、誰もがその延長線上にセンター試験を想定するのではないでしょうか。ということは、誰もが目標として国公立大医学科出願に足るだけの得点を取りたいと思うに違いありません。国公立大医学科への出願をめざすなら、900点満点の合計点のうちで概ね「得点率85%」以上が目標となるでしょう。もう少しわかりやすくいうと、「得点率85%」以上は765点(900点満点)以上ということです。
ただし、模試はどの業者でも大体はセンター本試験よりもやや難度が高いことが多いようです。そこで、河合塾の全統マーク模試では「換算得点」という設定を使用しています。これは模試の得点を元に、センター試験本番で何点に相当するかを仮想的に示したものです。先にご紹介したとおり模試の方が難度は若干高めなので、「換算得点」は「自分の本当に取れた得点」よりやや高めになります。実は、全統マーク模試の判定は、この換算得点が基本になっています。ですから、自分の取れた得点が765点(85%)よりも多少低くても、あきらめずに学習を続ければ成績は向上するものとして、よしとしましょう。特に進度や演習が遅れがちな現役生なら、やむを得ないことがあるはずです。
よくある受験生の発想として、「●●が苦手だから、■■でカバーする」というものがあります。しかし、トータルの「得点率85%」以上をめざすセンター試験やマーク模試の場合、「何かで何かをカバーする」ことはかなり難しいといえるでしょう。なぜなら、すでにどの科目も天井に近い得点になっていますし、医学科出願には「85%ちょうどでいい」わけではなく「それ以上なら良い」といっているだけですから、「カバーする」という発想そのものが無効だからです。
つまり、センター試験やマーク模試では、単純に「どの科目も85%以上得点できることをめざす」というのがもっともあるべき目標設定だといえます。とはいうものの、医学科受験生の合格者を見ると、必ずしもそのような理想的な均一の得点になっておらず、ほんのわずかながら得点に偏りがあります。実際には「二次試験で必要」な科目である「英語」・「数学」・「理科」の得点が90%以上あるものの、「国語」と「地歴/公民」がそれよりやや下回る得点の人が多いように思われます。
やはり「カバーしているじゃないか」と言われそうですが、それは90%以上の得点の科目(英語・数学・理科)で85%程度になる科目(国語・地歴)に得点加算している状態を指しており、そのレベルは「カバーしている」という表現とは少し違うといえるでしょう。
すでに今年度も後半に入りました。医学科受験をめざす高3生は、次のマーク模試では「85%以上の換算得点」が出せることにこだわってほしいところです。
記述系模試の場合
記述系の模試といいましても、河合塾でいう普通の「全統記述模試」の場合と「国立大オープン」の場合があります。「全統記述模試」の場合ですと、これは以前にも少しご紹介したことがあるのですが、大体偏差値でいうと「65.0~67.5」あってようやく「合格可能性50%」というレベルになります。
そこで、「全統記述模試」で、例えば「65.0」の偏差値を出すのにどれくらいの得点が必要かということですが、大雑把にいえば平均点が5割弱程度の中で7割くらいとれれば、そのくらいの偏差値になるようです。ですから、「全統記述模試なら7割をめざす」つもりで模試に取り組むことが妥当です。
一方、「国立大オープン」は非常に難度が高く設定されていますので、平均点が3割~4割弱程度の中で「5割~7割以上」は得点する必要があるでしょう。もっとも、河合塾が国立大オープンを作成している大学は、東大・京大・阪大・神大・北大・広大・九大などの難関大のみですから、その医学科をめざすのならば当然そうなってしまうに違いありません。参考までに、近畿地区が作成している各種国立大オープンでの教科合計での平均得点率と医学科志望者の「B判定」(合格率60%想定)の判定得点率を下に示します。
<参考:2017年度国立大オープン ※2016年実施分>
<参考:2018年度国立大オープン ※2017年実施分>
医学部医学科は国公立大だけでも全国に50大学ありますし、私立大も31大学あります。河合塾の国立大オープンが実施される大学以外でも、たくさんの医学部が存在します。それなら、「国立大オープン」で成績がやや低くとも、「全統記述模試」のレベルで対応できる医学部を探して受験する方法もあるでしょう。
模試の出来具合で最終判断しよう
実際に模試の成績が出たら12月あたりに各高校で実施される面談で、出願大学を決定することが必要になるでしょう。ただし、どういった成績ならどの大学に出願すべきか、なかなか本人だけでは判断が難しいことです。だからこそ、河合塾のスタッフは研究を重ね、研修を受けて塾生のための指導をしているわけです。
さて、そういったご相談を一般の方にも少しだけ開放します。11月23日(木・祝)の「医進フェスタ2017」では、河合塾のチューターによる相談コーナーを設け、一般の方にも出願のご相談をしていただけるように準備しています。大学のご担当者も相談に来られていますから、大学選択に迷われたらぜひ「医進フェスタ2017」にご来場ください。
イベントにお申し込みいただき、ご自身のこれまでの模試成績などをお持ちになっていただければ、河合塾のベテランチューターがご相談を承ります。
目標得点までの到達が微妙な状況でも、必ずしも医学科出願ができない訳ではありません。そういう時こそプロに聞くことが、最も良い解決方法となるに違いありません。