偏差値と得点の関係 ~「あと5点」の重み~ 知っ得!医学部合格の処方箋 意識していますか?~心がけ編~ | 知っ得!医学部合格の処方箋 | 医の知の森<近畿地区医学科進学情報センター>
たかが5点、されど5点
「5点」がどれくらいの意味を持っているの?勝敗を決する「5点」の重みとは?
人間、何事もミスは付き物です。受験生だったら模試やテストが終わった後、「惜しかった、ちょっと勘違いした」とか「計算ミスしてしまったなぁ」などということはありませんか?
もちろん、ミスはない方がいいですが、こういうのはよく出くわしそうな場面ですね。
数学のような科目では答案作成上、初期に間違うと後が全部ダメになってしまうことがあります。しかし、先に述べた程度の物言いで済ませる間違いなら、おそらくたいしたことはなくて、多くても5点程度の減点くらいで済むものを指して、ちょっと自嘲気味に言っているのでしょうね。
けれど、それで済ませておいて本当にいいかどうかが問題なのです。というのも、「5点」がどれくらいの意味を持っているのか、多くの受験生はその実体を知らずにそう言っているからです。
下の表を参照してください。これは河合塾が10月に行った「第3回全統記述模試」での得点と偏差値の対応表です。特に、100点満点の理科に注目してください。
2016年第3回全統記述模試 偏差値と得点の関係
科目 | 英語 | 数学 | 物理 | 化学 | 生物 |
---|---|---|---|---|---|
満点 偏差値 |
200 | 200 | 100 | 100 | 100 |
77.5 | 174 | 192 | 93 | 89 | 77 |
75.0 | 165 | 182 | 88 | 84 | 73 |
72.5 | 156 | 172 | 83 | 79 | 69 |
70.0 | 148 | 162 | 78 | 74 | 65 |
67.5 | 139 | 152 | 73 | 69 | 61 |
65.0 | 130 | 142 | 68 | 64 | 57 |
62.5 | 121 | 132 | 63 | 59 | 53 |
60.0 | 112 | 122 | 58 | 54 | 49 |
57.5 | 103 | 112 | 53 | 49 | 45 |
55.0 | 94 | 102 | 48 | 44 | 41 |
52.5 | 85 | 93 | 43 | 39 | 37 |
50.0 | 76 | 83 | 38 | 34 | 33 |
47.5 | 67 | 73 | 33 | 29 | 29 |
- 近似値を当てているものもあります。
この表からは何が読み取れますか?そう、「偏差値2.5」ごとの得点の格差はなんと「5点」程度なのです。逆に「得点5点」の差はおよそ「偏差値2.5」に相当するということが言えるのです。河合塾は大学の難度に「ランク」をつけて発表していますが、その「ランクひとつ分の刻みの単位」がなんと「偏差値2.5」です。
つまり、「たった5点の間違いだった」→「1ランク分の間違いをした」→「判定1つ分合格から遠のいた」・・・ということなのです。氷山と同じで、「水上にほんの少し出ている部分」の高さをちょっとカサ上げしようとすれば、いかに「水面より下の部分」が大きくなければならないか、ということにもつながります。そう、5点を取るために、かなりの学習と演習がバックヤードで必要になるのではありませんか?
「その5点、間違わないで解答できる人が世の中にはたくさんいる」ということを肝に銘じて、受験生は「たった5点」ではなく、「5点も」という想いをもって学習に取り組む時期にさしかかっています。なぜなら、あと「5点」が勝敗を決するのが医学科入試だからです。