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2022.1.27公開

「どうしたら・できるだろうか」。共通テスト後の今こそ「未来形+肯定形」のマインドを

「出願大学選び」はもちろん大切ですが、大学独自試験を突破するための「地道な学習」はもっと大切です。次へ進む行動をとりましょう。

2022年度大学入学共通テストの概況

2022年1月15日・16日の両日、今年の大学入学共通テストが実施されました。1990年にスタートした「大学入試センター試験」を引き継いだ「大学入学共通テスト」は、今回が2年めの実施でした。今年の受験に臨まれた皆様、まずはお疲れ様でした。

2022年度の「共通テスト」の平均点を、前年までと見比べてみましょう。これまでの「センター試験」の時代を含めて並べてみたものが、下の<表1>です。

大学入試センター試験→大学入学共通テスト 平均点推移 大学入試センター試験→大学入学共通テスト 平均点推移

2021年度に比較して2022年度は、数学ⅠAとⅡB、国語の平均点がかなり低くなっており、総合得点に影響している様子がうかがえます。新型コロナの最中であったり、試験当日の津波警報の発令があったりと、受験生を揺さぶる社会情勢の中で実施された今回の共通テストですが、最も受験生を揺さぶったのは、共通テストの問題そのものの難度だったといえるのではないでしょうか。
「共通テスト」が昨年初実施された際、「問題の考察」が「センター試験」より求められるため、「平均点はセンター試験時代より下がる」…と予想されていました。しかし、実際には昨年の平均点はかなり高くなり、理科②科目(物理・化学・生物)と公民科目(政治/経済・倫理・現代社会)で得点調整されるなど、不安定な出だしだったことは記憶に新しいところです。
さて、2022年度はそこから一転して平均点が大きく下がり、大方の人が予想したように昨年の反動が出た形になりました。

医学科の志望動向は昨年から今年にかけてどうなったか

河合塾が共通テスト翌日に実施した「リサーチ」の状況を見てみましょう。今年度の国公立大前期試験の「学部系統別」志望者前年比の詳細は下記の<グラフ1>をご覧ください。

2022年度 大学入学共通テスト 国公立大前期 系統別前年比 2022年度 大学入学共通テスト 国公立大前期 系統別前年比

昨年の2021年度の時には予想外の平均点上昇の結果、医学科の前期試験志望者は対前年比113%まで増加しました。しかし、2022年度は2021年度に比べて共通テストの平均点が大きく下降したため、その反動が出ています。昨年の一時的な医学部出願熱の高さとは逆に、今年度の志望者は対前年比「98%」と減少しました。「医学科への出願は共通テスト高得点が条件」という想いが多くの受験生にあるため、数学や国語で得点が出せなかった受験生の心理は、いったんは冷え込んだ状況といえます。
しかし、医学科志望者全体の共通テスト得点が下降してるため、今年度は各大学ともこれまでとは違う基準でボーダーラインを設定していますので、以下の概況をよくお読みいただき、出願について熟考されることをお勧めします。
今年度は医学科志望の高卒生は減少しており、比較的現役生の割合が高くなっています。このことは二次学力保持者の減少につながっている場合もありますから、地方国公立大を中心とした出願では、二次試験で十分に挽回できる余地も感じます。ただし、どの大学に出願するかの見極めは非常に重要です。受験生の皆さんは、河合塾のチューターや高校の先生方によくご相談の上、慎重に出願大学を決定してください。

2022年の医学科ボーダーラインについて

予備校でもっとも気を使うのは、ボーダーラインの設定です。特に、今回の「共通テストリサーチ」のボーダーライン設定は模試と違って受験生の出願に直結するため、非常に繊細な感覚が必要です。また、医学科は第一段階選抜が実施される大学が多いため、この得点をどこに設定するかの予想も相当気を使います。
「センター試験」の時代には、「医学科は高得点でなければ出願できない」という思い込みが多くの受験生にありますので、これらのマインドセットを現実に即して切り替えていくことが、出願大学決定へのポイントになるでしょう。

以下の「河合塾 医進塾」のホームページに、全国の国公立大医学科の予想ボーダーと二次ランクが掲載されていますので、参考にしてください。

「河合塾 医進塾」ホームページ

なお、河合塾のボーダーラインなどの設定方法では、合格可能性80%の得点率ラインを「濃厚ライン」、合格可能性50%の得点率を「ボーダーライン」、合格可能性20%の得点率ラインを「注意ライン」と呼びます。WEBの評価システムである「バンザイシステム」を使用しますと、「濃厚ライン」以上=「A」、「注意ライン」以下=「E」となります。また、「ボーダーライン」に近い上下=「C」となり、Cより上でAまでを「B」、Cより下でEの間を「D」としています。
2022年度の共通テストでは、医学科志望者といえども得点は全体的に下降しています。東京大学は全国で最も高いボーダー得点率設定で88%、次点の京都大学でも85%、多くの地方拠点大学はそれ以下に並んでいます。80%以下をボーダーと設定した大学もかなり多く、全国の最下限は75%としました。詳細は上記の河合塾医進塾の一覧を参照してください。
さて、Cの判定になった方はボーダー得点率の上下にいるわけですから、基本的に「勝負」のポイントです。また、Dの位置にいる方は「注意ラインの上」にいるわけですから、「逆転狙いの勝負」となるでしょう。共通テストが終了して1週間以上経てば、多くの受験生は「みんな得点できなかったんだ」という落ち着きが出て、出願に意欲的になってくるはずです。
医学科出願は全国の大学を対象に検討し、落ち着いて着実に出願先を決定することが大切です。その際、大学独自試験がどのようなレベルの問題なのかは、高校の先生方や指導の方によくご相談ください。単科医科大学は数理の難度が高いことが多いですし、総合大学の名称であっても、一部の問題を医学科のみ別の問題に変更して出題しているような大学は多数あります。必ず過去問を確認して出願先大学を決定することが大切です。
また、 大学によっては志望理由書が必要なことがあります。志望理由書は必ず先生方に添削を受けてから出願するようにしてください。参考までに志望理由書が必要な大学の一覧を以下に示します。 これらの大学に出願する予定の方は、できるだけ早い日程で出願書類の作成を開始し、添削を受けられるようにスケジューリングすることをおすすめします。

2022年度 一般選抜で志望理由書等の提出が必要な国公立大学 一般選抜で志望理由書・自己推薦書等、志願者本人が記載した提出書類が必要な大学をまとめました(8月23日現在、河合塾調べ)。 2022年度の情報が未判明の大学は、参考として前年度入試の提出書類を掲載しています。 私立大の2期(後期・3月)入試については割愛しています。 掲載内容は変更の可能性もありますので、詳細は必ず各大学の学生募集要項で確認してください。 2022年度 一般選抜で志望理由書等の提出が必要な国公立大学 一般選抜で志望理由書・自己推薦書等、志願者本人が記載した提出書類が必要な大学をまとめました(8月23日現在、河合塾調べ)。 2022年度の情報が未判明の大学は、参考として前年度入試の提出書類を掲載しています。 私立大の2期(後期・3月)入試については割愛しています。 掲載内容は変更の可能性もありますので、詳細は必ず各大学の学生募集要項で確認してください。

いよいよ国公立大出願です。皆さんの得点を、より有効に活かすための「出願大学選び」はもちろん大切ですが、大学独自試験を突破するための「地道な学習」はもっと大切な基本中の基本です。「共通テストでもっと得点できていたら…」と後知恵で考える方は多いでしょう。しかし、ここは気持ちを切り替えて次へ進むための行動が必要な時です。

この時期、私がいつも受験生にお伝えしていることを改めてお伝えします。

「どうして・できなかった」のかと問うことは「過去形+否定形」で何も生み出せません。自分自身を責めたり、詰問したりすることに時間を費やしてしまいがちです。しかし、「どうしたら・できるだろうか」と問えば「未来形+肯定形」で次に進める可能性が生まれます。自分が進むべき道とそのための方法を考えることは、常に自分を生かす前向きさにつながるでしょう。

まだまだ勝負は続きます。受験生はご自身の力をより伸ばし、合格に向けての一歩を着実にして歩み出すため、次に向けて「どうしたら・できるだろうか」と考え、進みたいものです。