名古屋大学×河合塾　共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第57回 情報学部 イベントレポート | 体験授業・イベント

溶液内ではさまざまな化学・生物過程が起こっています。これらにおいて溶媒は単なる脇役ではなく、主役の一つを担っています。溶液内で無数に存在する溶媒分子の構造や性質を知るためには、統計力学によるアプローチが有効です。私たちのグループでは溶液内で起こる化学・生物過程を対象とした、液体の統計力学理論の開発とその応用に取り組んでいます。さらに、溶液内で起こる複雑な化学現象を扱うために、量子化学、分子シミュレーション・情報科学を組み合わせた独自の方法の開発・応用に取り組んでいます。

近年、運転手を必要とせずに自動車が走行する自動運転が注目されています。自動運転を行うためにはそのためのソフトウェアが必要です。自動運転のソフトウェアは、安全のために膨大な数のテストをクリアする必要があります。また、実際の自動車でテストをする前に、シミュレーターを使ってソフトウェアのテストも行います。これにも膨大なテストが存在します。そのため、工夫せずにテストを行うとかなりのお金と時間を消費することになります。そこで、自動運転のソフトウェアのシミュレーションテストについて、より効率の良いテスト実行の方法を研究しています。
（名古屋大学　情報学部出身）

私たちの日常には、音楽やダンスが当たり前のように存在しています。上手い下手という程度の差はあれど、音楽に合わせて身体を動かすことはできます。しかし、動物全体を見てみると、私たちヒトのようにダンスをする種はごく僅かしかいません。その種の中でも、私たちは特に高度なダンス能力を持っています。つまり、「なぜ、私たち人間はダンスができるのか？」を探求することは「人間の心はどのように作られているのか？」・「私たち人間は、どのように進化してきたのか？」といった問いに迫れる興味深い切り口なのです。私は、音楽に合わせて身体を動かしている時の脳活動や心電図などを計測することで、この領域の研究に取り組んでいます。
（愛知大学　文学部出身）