名古屋大学×河合塾　共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第55回 工学部 イベントレポート | 体験授業・イベント

自然界には、人間には到底作ることができない複雑な構造（形）が存在します。私は自然界にあるような複雑な形を金属などの人工材料に与えるためのプロセス開発を進めています。孔がたくさん空いた構造を作ったり、二種類以上の材料が混ざり合った材料を作るための様々なアイデアを考えています。そして、作製した材料の性質を評価したり、シミュレーションで予想することにより、普通の材料を素晴らしい特性や機能を持った新材料に変えるための挑戦を続けています。

映像技術や信号処理の発達に伴い、早い動きを捉えることができる高フレームレート動画の需要が高まっています。1秒間により多くの情報を得ることができると、より現実的で迫力のある映像の提供やスローモーションでの解析などが可能になります。一方、高フレームレート動画を撮影するためのカメラは、設備が大規模になるか非常に高額になる傾向があります。そこで、私はイベントカメラという手のひらサイズの特殊なカメラを用いて、低フレームレート動画から高品質な高フレームレート動画を生成する研究を行なっています。
（名古屋大学　工学部出身）

ガスコンロや車のエンジン等、身近な燃焼現象より更に激しい燃焼をご存知でしょうか。それがデトネーションです。一般的な燃焼の約1000倍の速度で伝播し、その燃え方の激しさ故に、ロケットエンジン等へ応用することでエンジンの簡素化や小型化、燃費向上が期待されています。実際に私の研究室では観測ロケットS-520-31号機にデトネーションエンジンを載せ、世界初となる宇宙空間での作動実証に成功しています。
私の研究ではデトネーションエンジン小型化のため、デトネーションを短い距離で作る方法を模索しています。具体的には、1センチメートルにも満たない空間にレーザーを照射し、着火時に発生する衝撃波を収束させてデトネーションを作り出すことに成功しました。
（名古屋大学　工学部出身）