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科学と人間生活(2014年第1回 高卒認定試験)

試験概要

【出題分野・範囲】
「科学と人間生活」は、序章(科学技術の発展)、本章(物理、化学、生物、地学分野)、終章(これからの科学と人間生活)からなるが、序章と終章からの出題はなく、本章の各分野から均等に出題された。

【出題形式・傾向】
大問数は物理、化学、生物、地学の各分野、それぞれ2題で、その中から各1題の計4題を選択させる形式である。小問数はすべて大問ごとに5問であり、解答数は計20問であった。旧課程の「理科総合」も物理、化学、生物、地学の各分野からそれぞれ2題出題されており、その中から4題選択する形式だったが、組み合わせは自由であった。そのため、物理、化学、生物、地学のうちの2分野を選択することも可能であったが、新課程の「科学と人間生活」では全分野を選択する必要があり、この点が大きく変更された点である。

【難易度】
化学、地学分野は基本的な知識問題が出題されており、易しかった。物理分野の「熱の性質」の単元は、熱機関についてのやや難しい問題が出題された。生物分野は大問2問とも教科書範囲外の出題があり、やや難しかった。

【問題量】
旧課程「理科総合」と同じく、解答する小問数は20問であり、配点は各5点であった。

【総合コメント】
分野により、出題傾向が異なっている。物理分野では全体からまんべんなく出題されたが、化学、生物、地学分野は、ある1項目に限定した出題であった。物理、化学、地学分野は、教科書範囲からの基礎的な知識を要求する問題がほとんどであったが、生物分野は、教科書に記載がない「中学理科第2分野」の範囲からの出題や「生物基礎」、「化学基礎」などでは扱うが、「科学と人間生活」の教科書ではほとんど記載がない項目の出題があった。そのため、全体的な難易度は理科総合と変わらず普通である。

学習対策

旧課程の「理科総合」と比べて、物理、化学、生物、地学の全分野を学習しないといけないため、負担感はあると思う。しかし、各分野は2章に分かれており、そのうちの1章のみを学習すればいいので、「理科総合」と比べて範囲は狭い。
まず、早めに選択する章を決めよう。それから教科書の選択した章をよく読み、章末にある問題を解いて欲しい。
教科書に記載されている内容をていねいに、見落としのないようにチェックし、教科書の内容の設問だけは確実に得点できるようにしておこう。

試験問題の構成・配点・出題テーマ

大問1

【出題分野】光の性質とその利用(物理分野)
【配点】25点
【出題テーマ】プリズム、屈折、電磁波

大問2

【出題分野】熱の性質とその利用(物理分野)
【配点】25点
【出題テーマ】熱と仕事、エネルギーの変換

大問3

【出題分野】材料とその再利用(化学分野)
【配点】25点
【出題テーマ】金属とその性質

大問4

【出題分野】衣料と食品(化学分野)
【配点】25点
【出題テーマ】食品とその成分

大問5

【出題分野】微生物とその利用(生物分野)
【配点】25点
【出題テーマ】酵母菌の働きと発酵食品

大問6

【出題分野】生物と光(生物分野)
【配点】25点
【出題テーマ】光合成と植物の構造

大問7

【出題分野】自然景観と自然災害(地学分野)
【配点】25点
【出題テーマ】プレートとその運動

大問8

【出題分野】身近な天体と太陽系における地球(地学分野)
【配点】25点
【出題テーマ】惑星の性質

設問別分析コメント

第1問

問1~問3はプリズムによる光の屈折、問4・問5は電磁波としての光についての問題だったが、いずれも基本的な知識を問う問題であり、易しかった。

第2問

問1~問3は熱機関とその効率、問4は不可逆変化、問5はエネルギー変換についての問題だった。熱機関の問題では、用語の暗記だけでは正解できず、熱機関に関して何が問題なのかを理解しておくことが必要であり、やや難しい問題だった。

第3問

問1は金属のイオンになりやすさ、問2は硬貨の組成、問3はアルマイトの性質、問4は合金の一般的な性質、問5は合金の組成・性質・用途についての問題だった。いずれも基本的な知識を問う問題であり、易しかった。

第4問

問1はパンの成分とその検出、問2はたんぱく質を構成するアミノ酸分子の特徴、問3はペプチド結合によるたんぱく質の構成と性質、問4はバターに含まれる脂質の特徴と性質、問5は消化酵素の問題だった。いずれも基本的な知識を問う問題であり、易しかった。

第5問

問1・問2は酵母菌のアルコール発酵についての実験問題だったが、いずれも教科書にはない内容の出題だった。問3は酵母菌の分類学的な位置を問う問題だったが、記載されている教科書は少ない。問4は日本の伝統食品加工における酵母菌利用、問5は各種酒類やパンの製造過程と酵母菌の果たす役割についての細かい知識を要求する問題だった。問1~問3は「科学と人間生活」の教科書だけでは正解するのは難しかった。

第6問

問1・問3は植物の光合成についての基本的な易しい問題だった。問2は植物の構造、問5は植物の茎の構造と働きについての問題だったが、いずれも中学理科第2分野の内容であり、多くの教科書には記載がない項目の出題だった。

第7問

問1はプレートの性質、問2は日本付近のプレート、問3は日本の火山分布、問4はプレートが沈み込む地域の地形、問5は地震についての問題だった。いずれも基本的な知識を問う問題であり、易しかった。

第8問

問1は木星の構造、問2は木星の特徴、問3は木星型惑星、問4は金星の大気、問5は地球型惑星の内部構造についての問題だった。いずれも基本的な知識を問う問題であり、易しかった。

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