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名古屋大学×河合塾 共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第4回 農学部「生物に学び、食の未来を開拓する」 イベントレポート | 体験授業・イベント

名古屋大学と河合塾のタッグで授業。

名大研究室の扉in河合塾4

名大との共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第4回 農学部を、2014年8月30日河合塾 千種校で開催しました。

河合塾と名古屋大学が共同で行う特別イベントとして、高校生・高卒生・保護者の方を対象に、名古屋大学農学部の教授と大学院生をお招きし、講演会や懇談会を実施しました。約110人の生徒・保護者の方が、名古屋大学の先端研究者の講演を聞き、大学での研究の奥深さや楽しさを体感できる絶好の機会となりました。

講演内容

第1部:名大教授による最先端研究についての講演
第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
第3部:講演者と参加者による懇談会

日時

2014年8月30日(土)14:00~16:00

会場

千種校

対象

高校生・高卒生と保護者の方

農学部の大きな可能性

生命農学研究科 吉村 崇教授

●第1部:生物に学び、食の未来を開拓する
 生命農学研究科 吉村 崇教授

第1部では吉村教授に、農学部がどんな可能性を持っているのかについてお話し頂きました。

農学部は理系の学部では珍しく男女比がほぼ同じであることや、就職先が「食品」「製薬」「化学系」「化粧品」など多岐にわたること、「名古屋大学は基幹大学なので研究することが使命」といったことまで、農学部の幅広い可能性について語られました。

吉村教授は、子供の頃の自然やさまざまな生き物に触れ合った経験から、「動物園の飼育係」「学校の先生」「研究者」といった将来の夢を抱かれたそうです。現在、研究者として大学で教鞭をとりながら、研究室で多くの動物を飼育していることは、ある意味、やりたいことがすべて出来ていると語られました。
ニワトリが「コケコッコー」と鳴くタイミングが体内時計に支配されていることを初めて発見した研究のお話の際に実際のニワトリの声を流したり、研究を紹介した科学雑誌の表紙や新聞の紙面をスライドに映したり、専門的でありながらわかりやすい説明をしていただき、生徒の皆さんは大きな関心をもって聞き入っていました。
その他にも、ゲノムの解明や、メダカやウズラの研究を冬季うつ病の原因究明に生かそうとしていること等の現在取り組んでいる研究についてや、農学部は「すぐ役に立つ研究だけでなく、100年後役に立つ研究をする」という大きな可能性を持っていることや、学問領域の壁を取り払い研究に取り組もうとしていることをお話しされました。

講演の最後に、名古屋大学農学部の魅力について再度お話しがありました。「生物学者として生命の神秘を解明できる」「食糧増産に貢献できる」「健康の増進に貢献できる」「環境負荷の低減・生態系の保全に貢献できる」「農場・演習林を持っているので、他の学部ではできないスケールの大きな研究もできる」等、さまざまな可能性について語り、最後に「私たちと一緒に夢に挑戦してくれる皆さんをお待ちしています!」と締めくくった吉村教授に、参加者からは大きな拍手が送られました。

大学生活や研究内容を知り、将来の幅を広げる。

●第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
 生物圏資源学専攻 資源生産生態学講座 森林生態生理学研究分野 加藤 大輔 氏
 生命技術科学専攻 分子細胞機能学講座 高次生態分子機能学研究分野 上原 奏子 氏

第2部では、名古屋大学文学研究科所属の2名の大学院生に、キャンパスライフや現在の研究内容をテーマにお話ししていただきました。

生物圏資源学専攻 資源生産生態学講座 森林生態生理学研究分野 加藤 大輔 氏

生物圏資源学専攻 資源生産生態学講座 森林生態生理学研究分野 加藤 大輔 氏

ご自身の研究「絶滅危惧種ヒトツバタゴの保全遺伝学的研究」について、学部生の時から現在の修士課程に続く研究活動の流れ、また、高校時代にさかのぼって、獣医か自然の研究かで迷い、最終的に名古屋大学に進学されたお話をしていただきました。
また、所属されるクラスは40人と比較的少人数で仲が良いこと、農学部でも受験時に物理を選択していた人が案外多く、生物選択でなくても不利とは感じないこと、大学ではいろいろなことができるが受け身ではできないこと、自分からやりたいことを探さなくてはいけないこと等、大学生活についての具体的なお話をしてくださいました。
野外調査や海外留学の際の写真を、受験生の方は大きな関心を持って見ていました。

生命技術科学専攻 分子細胞機能学講座 高次生態分子機能学研究分野 上原 奏子 氏

生命技術科学専攻 分子細胞機能学講座 高次生態分子機能学研究分野 上原 奏子 氏

研究者をめざされているという上原さんは、まず学部4年・修士2年・博士3年の流れをお話ししてくださいました。
「食糧問題をなくしたい」という夢を抱いて学んでいたときに、研究対象に対する反対意見の多さや、すぐ社会の役に立つわけではないといった悩みから、一時期は就職を考えたそうですが、現在の研究室の先生に出会って刺激を受けたことで再び研究の道に進むことを決意されたそうです。
現在はリーディング大学院に所属するなど、パワフルに活動されている様子が伝わってきました。

どの分野の講演も新鮮で興味深く、グローバルな研究を実際の生活に絡めて語っていただいたため、農学部の世界が身近に感じられる講演でした。最後には温かい拍手が送られました。

専門分野をより深く、興味と経験・知識の交換会。

●第3部:講演者と参加者による懇談会

第1部、第2部が終了後、吉村教授と大学院生2名はそれぞれのコーナーに分かれ、参加者との懇談会が行われました。

講演者と参加者による懇談会

吉村教授の周りに集まった参加者に、「質問がある方」と声をかけると、次々と手が挙げられました。吉村教授は一つずつ丁寧に質問者が理解できるよう回答されました。「動物実験をしなくてはいけないとき、精神的に辛いのでは?」という質問には、「私も動物好きでもちろん葛藤はある。ただ、その瞬間は辛くても、研究によって何万人の役に立つと信じてやる。」という真摯なお言葉に参加者一同納得の表情を浮かべました。
その他、「医学部・理学部・農学部で迷っている」といった進路の相談も複数ありましたが、それぞれの学部についてのメリットを具体的にお答えいただきました。
「受け身では進まないが、やりたいことは何でもできる。自分の興味に一番近いものに飛び込んで、そこで探せばいいのでは?」という先生のお言葉は、農学部やその周辺学域を志す受験生にとって大きな希望と励みとなりました。

大学院生のお二人には、参加者から「学部・修士・博士課程の研究の違い」「学部・学科選択」「大学受験での理科の科目選択について」「将来の進路や就職状況について」「教員免許の取得」など多岐にわたる質問があり、そのひとつひとつに実体験を交え、専門的な内容もわかりやすくお答えいただきました。

参加者と一体となった親しみやすい雰囲気の中で、第一志望合格に向けてやる気が芽生え、大変有意義な時間となりました。

参加者の感想(一部抜粋)