三重県 高校生応援プロジェクト ~名古屋大学教授×河合塾トップ講師のコラボ講演~「難関大学 合格への秘訣」 イベントレポート | 体験授業・イベント
名古屋大学と河合塾のタッグで講演
名古屋大学と河合塾とのコラボイベント「難関大学合格への秘訣」を、2016年2月27日近鉄四日市駅徒歩3分の四日市都ホテル「鈴鹿の間」において、盛大に開催しました。
数多くのメディアに登場し、著書もある、名古屋大学 環境医学研究所 所長・教授をお招きし、中学生・高校生・高卒生・保護者の方を対象に講演会を実施しました。約160人の生徒・保護者の方が参加され会場は満席。名古屋大学の先端研究者の講演、そして、河合塾トップ講師のアドバイスを聞き、大学での研究の奥深さや楽しさを体感するとともに、学問へのモチベーションを上げていただける絶好の機会となりました。
- 講演内容
-
第1部:名大教授による、脳の記憶のメカニズムと効果的な記憶法についての講演
第2部:河合塾講師より、変化していく大学受験に向けてこれから何をしていくべきかの講演
- 日時
-
2016年2月27日(土)14:00~16:30
- 会場
-
四日市都ホテル
- 対象
-
中学生・高校生・高卒生と保護者の方
名大教授による最先端研究についての講演
●第1部:「めざせ!記憶の達人 ~名前、英単語、年号が覚えにくいしくみ~」
澤田 誠(さわだ まこと)教授 (名古屋大学 環境医学研究所 所長・教授)
第1部では、澤田教授に、最新の脳科学の研究によって解明されてきた記憶のメカニズムについて、映像やクイズなどを交えながら、わかりやすくかつ楽しく、お話ししていただきました。そして、しくみにあわせた効果的な記憶法についてもお話しいただきました。
人間の脳はコンピュータとは違い、ありのままを見ているわけではなく、また、ないものを見ることができます。たとえば、人の顔を見るときは特徴を抽出して認識したり、「怖い」と思っていると揺らぐ葉が幽霊に見えたり、というようなことが起こります。そして、何よりも脳は、生き残るための情報を優先的に蓄積していきます。快の情動(うれしさ、楽しさ、満足)と不快の情動(怒り、恐怖、悲しみ、不安)は、個の保存・種の保存にとって都合が良いことと悪いこととして、好ましいか好ましくないかの振れ幅が大きいほど脳に記憶として蓄積されます。とてもうれしかったことや危険な思いをしたことはよく覚えているということです。また、生き残るための情報として、「どこの場所で何があったか」という情報は重要なので、海馬には場所記憶があります。
これらの脳の記憶のメカニズムについて先生が出演されたいくつかのテレビ映像を見たり、脳のしくみや記憶に関するクイズを体感したりして、生徒や保護者の方は講演にひきこまれていました。
記憶には、年号や英語のスペルなどに代表される「意味記憶」と、自身の実体験などに基づく「エピソード記憶」の2つがあります。受験勉強においては、いかに意味記憶をエピソード記憶に変換していけるかがポイントで、連想などによる記憶の紐付けや、繰り返し勉強することで記憶の定着は確実なものになります。記憶の定着のためには、「睡眠」が重要であること、また、位置情報をうまく使って記憶したり、ストーリーにして記憶したりすることも効果的です。思い出せないのは、記憶の引き出しが開かなくなっているだけであり、受験勉強に必要な知識がいかに重要であるかを脳に認識させることこそが大切、と力説されました。
参加者の皆さんは興味深く講演を聞き、これからの学問研究、受験勉強への意欲を新たにしていました。
河合塾トップ講師による、受験生への熱いメッセージ
●第2部:「思考から知識へ ~受験勉強へ 忘れてはならない3つのこと~」
玉置 全人 (たまおき まさと) 河合塾 英語科講師
第2部では、現在、河合塾中部地区で東大・京大・医学科志望者向けの講座などを担当し、毎年数多くの受験生を合格へ導く実力派講師より、変化していく大学入試に向けて、これから何をしていくべきかを講演しました。
思考のためには、まずは圧倒的な知識量が必要であり、真の思考につながる知識をつけることの必要性を力説しました。
たとえば英単語であれば、6000語~8000語が必要であり、知らない単語があった場合に前後の文脈から推察して読むのは難しいです。漢字や英単語、公式、年号などの知識を疎かにせず覚えることが必要です。効果的に覚えるために、前述の澤田先生の話を参考にするとよいでしょう、とコラボ講演らしいお話がありました。
また、受験は自己を作品としてみせることであり、世界に対して自己表現をしていくことです。日ごろから、あいさつや身なりに気をつけ、学業では楽をせずひたむきに走り、こだわりがあり、得意科目があることが重要であると話しました。
そして、志望校は偏差値で決めるのではなく、研究内容やレベル、総合性と国際性等から、“我が心の東大”を見つけてほしい、と熱く語りました。
そのほか、学校での勉強は全科目取り組んだうえで、受験勉強をプラスしていくこと。文系・理系ともにまずは現代文が重要であり、文系は難関大学になるほど数学も重要です。そして得意科目を伸ばしていくことで、その勉強方法を他の科目にも広げることが効果的である、というような受験指導全般に通じる玉置先生らしい具体的なアドバイスも織り交ぜました。
また、保護者の方に向けて、志望大学に対して親は口を出さない、「受かるはずがない」と言ったりしない、本やコンサートなどへの知的好奇心を大事にする、ボランティアなどで人が働くところを見せる、といったアドバイスをしました。
生徒・保護者の方ともに、「頑張って勉強しよう!」という熱い気持ちになれたことと思われます。
最後に、澤田教授と玉置先生の双方が壇上に立ち、参加者からの質問を受けました。
玉置先生が「受験は自己を組織化することである」と述べ、澤田教授が「つまりは“記憶の紐付けを行うこと”である」と、両先生がまさしくコラボレーションし、受験生へエールを贈りました。
今後も河合塾は、三重県の高校生の皆さんを応援すべく、四日市現役館、津現役館などでさまざまなイベントを行ってまいります。